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  • v291 北海道の風景―丸瀬布

    ■北海道の風景―丸瀬布(まるせっぷ)

    丸瀬布の大平高原
    9/22 丸瀬布 (クリックで拡大)

    今年、北海道を直撃した3つの台風の被害は、かなり大きかったのだなと、ニュースにならなかった地域を走って思うのでした。どこへ行っても倒木だらけ、橋壊れまくりです。

    この丸瀬布でも道路閉鎖がありました。夏の雨の日に行った時のことです。町から有名な温泉へ向かう11kmほどの幹線道路が封鎖されていました。その時に回り道があることを初めて知ったのです。22kmと倍の距離ですが、なんだか思いもしないところに抜け道があって、どう見ても、この道の方が厳しいのに閉鎖されていなかったのです。

    丸瀬布に「広大なイメージ」は無く、山間を抜ける町という印象でした。
    その回り道は、細く狭くクネクネとした山道(峠ですらない)で、抜けられるのか分からないような不安になる道路でした。やがて標高の高いてっぺんの方へ出ると、そこには360度見晴らせる広い高原があったのです。(雨でしたが障害物がないのは分かる)
    「なんじゃこりゃあ」でした。

    それからしばらく経ったこの日は、幹線道路はすでに開通していたのですが、その高原を通って温泉へと向かいました。天気が良く、その高原の写真が撮りたかったのです。
    下の写真だと分かりにくいかも知れませんが、一応、南側を180度分、分割して撮った写真を繋げてみたものです。

    丸瀬布の大平高原牧場
    まわりが全部こんな感じ。中と右の2本の道は90度です。(クリックで拡大)

    このあたりの道の行けるところは行ってみて、何かいい写真は撮れないか、ポイントを探しました。しかし、ここにいて感動している割には、カメラを覗くと特別な感じがしないのでした。
    「なんだこの伝わらない感じはっ!!」
    「なんかすごい雲とか、チンダル現象とか起きれば良いのだがっ!!」。

    丸瀬布の大平高原牧場
    特別何も起きない。伝わらない

    広いのに、なんか違う。

    丸瀬布の大平高原牧場
    農作業してる

    めちゃめちゃ広い空間なのですが、写真にすると違う。しばらくボーッと眺めていました。するとキリギリスの鳴き声があっちこっちからしていることに気づいたのでした。

    丸瀬布の大平高原牧場
    キリギリスがたくさん鳴いている

    鳴き声のするところへ行ってみると…。

    丸瀬布の大平高原牧場のキリギリス
    いたいた。なんかメカっぽい

    おー、キリギリス君、おまえは逃げないのか、と指を近づけたら、鳴きながら指を蹴って噛んできました。(笑)
    人間に慣れてないのか、逃げない凶暴なキリギリスでありました。

    しかしまぁ、生き物って精巧に良く出来ていますよね。スゴ過ぎますね。

    おしまい。(なんだこの終わり方)


  • v290 北海道の風景―生田原

    ■北海道の風景―生田原(いくたはら)

    生田原のあたり
    9/22 生田原、何かおかしな写真が撮れました(クリックで拡大)

    なんていうんでしょうかねぇ。どこへ行っても濃霧や後光のような神秘的な風景をよく見ます。ここは北見からは西北へ50kmほどのところで、早朝の霧の風景ですが、「これぞ田舎の風景」と思いました。

    生田原のあたり
    こんな感じです。朝の6時半ころです。

    この日はここから峠的なところを越えて、瀬戸瀬のセトセ温泉の偵察に行ったのです。その温泉へ向かう峠的な道の入り口にこんな看板がありました。

    恐怖の看板
    さりげに恐怖な看板

    通行される方へ
    この先8km区間通行には特に注意してください
    ●落石が頻繁に発生しています。
    ●未舗装であり路肩も弱くなっています。
    ●熊が出没しています。
    ●異常気象時は大変危険です。

    やや新しいけれど、臨時に立てた感じはなく、ずっとこういう状況が続くのでしょう。
    台風の連続攻撃の後だっただけに恐怖は倍増でしたが、幸い、事故もなく、熊に遭遇することもなく、この区間の終わりにセトセ温泉を発見しました。

    とりあえず、その場所とたたずまいをチェック。情報では露天がないらしいのですが、雰囲気がもう秘湯でした。早く入らないと経営破綻してしまうんじゃないかと思いましたが、まだ早朝7時。後日また来ることにして、丸瀬布(まるせっぷ)へ向かいました。
    その後もこんな感じでした。

    ヒグマ生息地

    そして丸瀬布では、また素晴らしい風景と出会うのでありました。
    多分そのうち続き書きます。
    おしまい。


  • v289 蕎麦と温泉と高齢化

    ■蕎麦と温泉と高齢化

    蕎麦
    去年の10/4撮影 弟子屈町の川湯温泉周辺で適当に入った蕎麦屋さんの蕎麦。 この日はメロンとポテサラが付いていた(日替わり)。店のヨコはなんと蕎麦畑。
    「摩周そば道楽」ここも美味かったなぁ~

    50を過ぎて随分年月が経ちました。
    最近、昔はあまり好きでもなかった「温泉」と「蕎麦」に目覚めたような気がするのです。根拠はないけれど、高齢化すると「温泉好き」や「蕎麦好き」が増えるような気がしませんか。客観的に自分、もう高齢者なのかも知れぬ。(口調も高齢化)

    温泉は露天が必須です。
    温(ぬる)めのお湯に浸かって、外気に触れて、ゆるゆるダラダラしてるのがいい。厳冬の頭寒足熱もなかなかのものです。
    北海道の温泉は有名なところでも客でギュウギュウなところはほとんどないです。2時間も入っていれば必ず長い貸し切り状態を楽しめます。広い露天の浴槽で、プカプカと浮かび、ぐうたらできます。やっぱりお年寄りになっちゃったんですかねぇ。しみじみ。

    さてさて。
    問題は蕎麦なのです。本題は蕎麦に関する悩みです。

    なぜか蕎麦を食べたいと思う事が増えました。
    蕎麦は美味いと思います。何て言うか、あのボソボソした麺。(笑)
    麺の太さの違いからくる食感。一流の職人は、太さをわざと変えるとか言いますよね。知らんけど。
    ということは超正確にカットできる麺職人の麺は美味しさ半減なわけですよ。でもどんなに正確に切っても同じものは2つとないのがこの世の定理であるからして、機械で切っても美味いわけですが、人が切ればもっと美味い…どうでもいい話になった。

    本題へ行く前に、ここ数年で美味しかったなぁと思ったトップ3を発表します。全部が1位です。ひとつは「置戸町勝山の細い蕎麦屋“ほたる”」。やっぱり珍しいような気がする。あの細さ。そして「“三国峠カフェ”のぶっとい蕎麦」。それから「津別町の道の駅の蕎麦屋“相生物産館”」さん。
    麺の太さが極細、極太、普通、ということで自分のトップ3です。これからまた発見すると思うので暫定です。

     

    蕎麦
    置戸町勝山の細い蕎麦
    自然と畑以外何もない小さな町の気さくな蕎麦屋
    蕎麦
    三国峠の太い蕎麦
    水道も無い大雪山系の峠の奇跡の休憩所で、カレーもうまい
    蕎麦
    スタンダードな津別の蕎麦(11月3日撮影)
    道の駅なのにこの本格的な蕎麦屋はなんだっ、とみな口を揃えるのです

    さて本題に入ります。
    実は、蕎麦のうまみというものが、よく分からんとです。(えーっ!!)

    えーっ、何言ってんの、ってなもんですが、よく「すすると蕎麦の香りふわっとする」と言いますよね。その「蕎麦の香り」とやらがよく分からんのです。蕎麦本来のうまみを味わうために、まずは、つゆに付けずにそのままひと口すする、などということを聞きます。

    最近、仁頃の幻の蕎麦屋(文末に写真あり)で、試しにそれやってみました。
    「ずるずる。んー。こりゃいい歯ごたえ。美味いっ」
    しかし、つゆも付けずに自分は何をもって美味いと言っているのか…。
    『蕎麦の香り? 香りって何だっ。分からんぞ』
    『これ、本当にふわっと香っているのか?』
    『本格的でありながら、やっぱり香りなど感じないっ』
    つゆに付けずに食べ続ければ、けっして美味いものではない。そうでしょう。麺だけ食べ続けるなんてちょっと考えられない。

    腰があるとか、のどごしがいいとか、それは分かるのですが、でも香りってなんだろう。ふわっと香る? いえいえ、決してそんなことはありませんよ。ね。(不安)
    蕎麦の麺の特徴といえば「ボソボソしている」ところ。「ボソボソ」と言ってしまうと美味そうに感じないし、ツルツルかな、いやツルツルじゃねーわっ。
    ボソボソはのどごしに通じるのかな。

    どの店も、穫れたての蕎麦の実を石臼やらで挽いて、10割とか手打ちとか、こだわり抜いて作っています。
    本格的な蕎麦のうまみとは何だ。色かっ、色がうまみかっ、違うかっ!!
    香りなのか、本当に香りがうまみなのかっ、その香りとやらは分かんぞっ。
    乾麺の蕎麦を自宅で作ったものと、本格的な店の蕎麦では確かに味わいは全然違うような気がする。気がするだけなのかっ。
    職人の風貌かっ。あの雰囲気に飲まれているのかっ。

    なぜ高齢化すると、蕎麦を食べたくなるのかっ。

    ひょっとして、胃にもたれないからか。カロリーが低いからか。
    お年寄りは代謝が低まっているから低カロリーが美味く感じるのかっ。
    店構え、職人の風貌、色、器、視覚効果が生み出す旨味なのかっ。
    感じない香りとは何なのかっ。
    悩みは尽きないのでありました。

    ある説では、日本人だから、ではないかと。
    なぜなら外国人が高齢化したからといって蕎麦を食べたいとは思わないのではないか。温泉にしても、シャワーの文化であるし、蕎麦好きも温泉好きも日本人のDNAに組み込まれている先天的なものではないだろうか、という説。
    まことしやかではある。

    そばの香りもよく分かっていないのに、美味い蕎麦屋さんのランク付けさえしてしまう私なのでした。おしまい。

    仁頃の蕎麦屋「美里」
    仁頃の蕎麦屋「美里」 こちらは仁頃の蕎麦屋さん「美里」。ここも1位だわ。(笑) 3月中旬から10月は日曜日のみ、11月から3月上旬が土日のみ、 しかも11時から14時のピンポイント。平日は全部休み!! 5月と9月が農繁期のため休み。
    仁頃の蕎麦
    というほとんど開いてない幻の蕎麦屋さんの蕎麦。(盛りそば600円)
    そば打ち講習会もやっているらしい。
    11月5日撮影。

  • v288 北海道の風景―興部(おこっぺ)

    ■北海道の風景―興部(おこっぺ)

    興部の牧場
    10/2 興部(おこっぺ)の牧場 (クリックで拡大)

    おこっぺ。普通は読めませんね。
    北見からは110~120km。広い広い牧場と、牧草地。
    この写真のあたりからは海が見えるのです。

    地図
    赤い線でくくったところが興部町

    興部の牧場

    興部の牧場
    白いのは牧草ロール 10/2 クリックで拡大

    この日は雲の切れ間から、太陽の光が射す「チンダル現象」も美しかった。

    興部の牧場
    毎度お馴染みのチンダル現象 10/2

    下の牛の写真は、5月に海沿いを走った時に、海バックで撮りました。
    題してウミウシ。

    興部の牧場

    興部の牧場

    牛に感謝。
    おしまい。


  • v287 置戸町勝山の蕎麦屋さん

    ■置戸町勝山の蕎麦屋さん

    置戸町勝山の手打ち蕎麦屋ほたる
    10/30 手打ち蕎麦屋「ほたる」

    読者から指令が来ました。置戸町勝山(おけとちょうかつやま)に人気の蕎麦屋さんが出来たらしいので、食べてきなさい、と。
    「食べるリポートも悪くはないので行ってみよう」
    北見駅から西へ40km。置戸と言えば自分の出生地であります。
    勝山は置戸の町からさらに7~8kmあり、人口220人だとか。
    自然しか無い贅沢なところだけど、いい店ができたのなら頑張ってもらいたいなぁ、ということで出かけました。

    置戸勝山間
    置戸から勝山まで、こんな風景の中を進むのだっ

    特に何もないので、いよいよ勝山の町に入ります。

    置戸町勝山
    少し家がある
    置戸町勝山
    ちょっと町っぽい

    特に店らしい店もなく、人の気配もなし。
    蕎麦屋らしからぬコンクリート壁の建物がその蕎麦屋さんでした。最初の写真がその外観です。では入ってみましょう。ガラガラ・・・。
    ガラガラではありませんでした。カウンターにお客さんが3人ほどいました。それより広さにちょっと驚きました。

    置戸町勝山の手打ち蕎麦屋ほたる
    ひっ、ひろいっ!! 右にカウンターがある

    こんなに広ければ100人入っても大丈夫っ!!(この町の人口の半分かよっ)
    ていうか詰めれば全員入れるかも。
    店主のオヤジさんがこだわりの職人風でありながら、人の良さがにじみ出ている。(おべんちゃらではない)。とても気さくな感じ。接しやすい。

    真中の座敷に座り、メニューを見て少し悩んでいたら、店主が
    「悩むほどないっしょ」と言いかけて、あ、どぞどぞ、とちょっと引く。

    確かに盛り、かけ、かしわ、カレーくらい。
    で、盛りそばを注文。
    「海苔は邪魔だから乗せてませんのでっ」
    「あ、はい」
    海苔はモサモサして食べにくいだろうということで乗せないそうです。
    そしてそれは「板」に乗って出てきました。

    盛りそば(板そば)
    じゃーん。おーっ

    これがですねっ、すごい細麺なんですよ。自分が好みの細麺。ラーメンも細麺が好きなのです。繊細な感じがいいです。アップ。

    盛りそば(板そば)

    「あ、写真撮っていいですか」と聞きました。
    「どうぞどうぞ。なんぼでもっ」
    ま、しかしシャッター音は結構気になりますから、数枚でやめときました。(笑)
    メニューすら撮ってないのでした。リポーター失格。ていうかそもそも知らない人と話すのは苦手で積極的に聞かないので、最初からリポーターとしては失格です。

    で、店主が他のお客さんと話をしていて、丸聞こえだったので、それを書きます。(笑)
    ある時、わざわざ函館から10時間かけてきてくれたお客さんがいたんだそうです。それで店主が言いました。
    「なんだか悪くてさぁ」
    「なんでさ」と客。
    「だって、10時間かけて食べにくるほどのものかい?」
    「うまいよ」
    「あ、いやいや、自分では美味いと思っているんだよ。でもさ、10時間だよ」
    「自分では美味いと思っているんだよ。でも10時間だよ」
    2回言いました。(笑)

    美味いと思いますよ。10割蕎麦。手打ち。細麺。文句無いです。
    三国峠のぶっとい蕎麦も美味かったけど、この細い麺も美味い。
    10時間かけて来てもらっていいと思います。

    それから東京からも客が来たことがあるらしく、あらかじめ蕎麦は食べるところを決めて旅をする人で、最初からここに来るつもりで来てくれたんだとか。
    「3杯食ってくれた。はははは」

    さりげに自慢になってますが(笑)、なかなかやるじゃありませんか。こんなに何もないところに、蕎麦目的で来てくれるなんて。
    「温泉(ゆうゆ)がさ、やっと来春から再開するんだよ」と店主。
    「そうらしいな」と客。
    「風呂代はは100円でも200円でも良いからさ、そしたら」
    「いっぱい来てくれたらさ、いろいろさ」
    「蕎麦食べてもらうとか」と客。
    なんか活気づけることを考えた方がいいな、という話。
    「(温泉は)誰が管理するか知らんけど、大丈夫かなぁ」と店主が案じていました。
    頑張ってほしいなと。

    そうだよなと思いました。以上、私から聞いてはいませんが、リポートとします。(笑)
    盛りそばは750円でした。定休:月曜・火曜。11時30分~14時30分とピンポイントの営業時間です。

    置戸町勝山
    外に出てカシャっ

    小さい町です。
    すぐに畑と山。そこにまたあのチンダル現象が出没。光芒とも言う。

    置戸町勝山
    店からちょっと歩くと畑。そして、わかりますかね。放射状の太陽光

    しばらく待っていたら、さらに素晴らしいチンダル現象がっ。

    置戸町勝山
    おーっ、美しい

    他にはなにもない。・・・こともない。
    実は、すぐ近くに「鹿の子沢」(かのこざわ)いうのがありまして・・・

    置戸町勝山
    鹿の子沢入り口にある案内板(クリックで拡大)

    虹の滝、三本桂(全国巨木100選のひとつ)、忍び岩、こうもり岩、飛竜の滝、雲突岩、糸ひき滝、屏風岩、不動岩、展望台と、みどころいっぱいですよ。
    来年春に再オープンする温泉「ゆうゆ」に入って、「ほたる」で蕎麦を食べて、鹿の子沢で雲突岩などを見る勝山の旅を、誰か自費でどうぞ。
    おしまい。