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  • v276 北海道の景色―三国峠/スタンプ新作

    ■北海道の景色―三国峠

    三国峠
    三国峠の近くの絶景(5月22日) クリックで拡大(別窓)

    4月にカメラを買い替えてから、土日になると写真を撮りにあちこちへ出かけていました。ちょっと足を伸ばすと400kmくらい車に乗ることになります。そしてこの通信のネタだらけになるのですが、まとめようとすると気が遠くなって気絶状態になり、5か月も更新できませんでした。(言い訳)

    で、ちょっとずつ書きます。

    ある日の夕方に帯広から大雪山系を北上していました。その時に目に入った風景がスゴすぎて、目が丸くなり、鳥肌が立ち、お尻がゾワゾワしました。

    夕陽が全体を赤くして、陸橋の赤味が増して、人工物と大自然が気持ち悪い程の世界を醸し出していました。道路はずっと陸橋で繋がっているため、落ちたら死にます。落ちるバカはいないのですが、落ちたら死にます。

    そして私は高所恐怖症で、運転していてずっとゾワゾワしていました。その風景は一瞬で通り過ぎるピンポイントで、しかも進行方向の右後方であったために、右側をやや後ろ方向に振り向かないと見えない状況で、要はキョロキョロしていて気づいたポイントだったのです。三国峠の売店やトイレのある展望所の手前数100m。風景の見え方が劇的に違う。

    このあたりは車が止めにくく撮影の仕様がありません。しかしこれは何としても撮りたいと思いました。でも高所恐怖症に撮影できるのか不安でした。

    そこで計画を練りました。早朝の車の来ない状況で、橋の真中を歩いて行って、ここだと思ったところでソロリソロリと橋の端へと移動して、一瞬だけ我慢して橋の欄干から身を乗り出して撮る、という計画です。想像するだけで緊張します。

    ほかにもこんな案。早朝に誰かにトラックを運転してもらい、その荷台に乗って、そのポイントで止まってもらい、橋から身を乗り出さなくても撮れる環境で撮影をする、というもの。これは様々、無理があり過ぎて却下しました。(笑)

    それで5月22日、午前1時半起床。  …って寝る時間じゃないですか、寝れませんでしたよ。寝ずに2時に出発し、2時間後の4時過ぎ頃に現地に到着しました。そのポイントの手前に、無理矢理になら車を止められるスペース(草地)がありました。(側溝がやや深くて車がバイーンバイーンガツンガツンってなる)

    案の定、交通量はゼロでしたが、一応その場所に無理矢理止めて、道の真中を、ポイントへ向かって歩き出しました。その時にはもう気づいていたのですが、非常に悔しいことに雰囲気が違っていました。天気は晴れ。しかも朝焼けは大したこともなく、ポイントに着いた時には普通の日の光になっていました。しかも光線は逆方向。

    あの身震いするような景色は、夕焼けが陸橋の赤を強調していたからだったのです。それでもスゴい景色であることには変わりないのですが、魅力は半減です。
    夜に妖艶な雰囲気のある人が、朝にスッピンで現れたような感じ。(笑)
    それが最初の上の写真です。(クリックで拡大します)

    いつか夕陽の風景を撮りたいと思います。(車が時々来る中でどうやって撮るか…)
    冬もまた違う姿になります。楽しみですが、息の根が止まりそうです。

    で、撮影時、橋の端へと歩き、欄干のそばまで行った時に、怖くなってしゃがみこんで、座り込んで、欄干の隙間から撮ろうとしました。でもうまく撮れず、仕方なしに立ち上がりました。

    『無理に決まってんじゃん』と思いました。

    これでは何のために来たのかわからんぞ、と、少しだけ身を乗り出して数枚撮りました。もう気絶寸前で。下は谷底。カメラを握る握力は倍増しました。
    でも、もう少し身を乗り出せば、そのちょっとの差でもっといい感じに収められたと感じました。

    右上に見える雪山は「ウペペサンケ山」という山です。見た目がスゴいのにウペペのサンケですよ。でも慣れてくるとだんだんウペペサンケって覚えやすくて違和感がなくなってくるのでした。
    ※ウペペサンケとはアイヌ語で「雪解け水をどっと押し出してくる」という意味

    それからこの早朝の時間帯、人が誰もいない、誰も来ない大雪山系の尾根のような道なので、「シカ祭り」状態になっていました。野生の王国のような。それはまたそのうち。

     

    ■スタンプ新作

    ホントにたまたまです。ちょうどこの間、スタンプにも手がつかず、最近になってやっと1セット作りました。まだ審査中で、承認まで数日というところです。

    スタンプ販売中
    今回もモデルがいまして、東京の友達であります

    売れそうもないところがミソです。


  • v275 金の湯/スタンプ新作

    ■金の湯

    猫に乗っ取られる 猫に乗っ取られる

    職場が乗っ取られました

    この猫はやたらとうるさいので「うるちゃ」という名前をつけました。しかしこの猫、やたらと食いまくり、水を飲みまくり、失禁もしている様子もあり、腎臓かどこかに病気があるのではないかと疑いました。それで同級生の獣医に相談していたところだったのです。

    おそらく野良猫なので、どうすべきか。例えば野良猫が増えてしまったらまた大変なことになるので、去勢すべきかどうか。
    ひょっとしたら病気かもしれず、とりあえず検査だけしてみよう、という流れになっていました。次にウチに来たら病院へ連れていくつもりでした。

    3月5日、うるちゃがウチに遊びに来ました。よーしきたきた、病院へ連れて行くぞ。

    「あっ!! えーーーーーー!! 首輪付けてるじゃん」
    初の首輪姿のうるちゃがほくそ笑んでいました。

    首輪の猫を勝手に病院へ連れて行けば、何かしらマズい感じです。仕方なく病院へ連れて行くのはあきらめました。
    それでこの日、他の用事がてら、動物病院へ行って事情を説明しました。

    「連れて来ようかと思ったら、首輪が付いてたんだよ、よりによって今日」
    「そりゃヨソの猫なら勝手に検査とかはできないね」
    「やっぱそうだよね」
    「それよりさ、これ使う? いっぱいあるからあげるよ」
    と言って、温泉の半額券を10枚もくれました。

    温泉半額券
    金の湯、半額券

    隣町の端野(たんの)町にある温泉です。端野には「のんたの湯」というよく知られた温泉があり、何度か行きましたがいつも混んでいました。そこは入湯料は500円。

    この金の湯というのは、調べないと分からない程度の認知度ではないかと思われるのです。というのも、金の湯はノーザンアークリゾートが経営する「ゴルフ場とスキー場とホテル」の一部であり、爺さん婆さん、いや、高齢の方々が覚えにくい横文字であることから、認知しにくいのではないかと推測していました。
    しかも、入湯料は800円とやや高いのです。金の湯の金は金持ちの金ではないかと。地方には金持ちなどはいませんから、そんなに混んでもいないはずです。きっぱり。

    その金持ちの湯に400円で入れる券を10枚もゲットしたわけで、これはもう綿密な計画を立てて行くしかありません。2人で月に1度行けば5か月も楽しめます。いや、毎月同じ温泉では芸がないので、1か月置きに別の温泉へ行けば、10か月も金持ち気分になれるではないですか。ほくほく。

    3月 金の湯
    4月 塩別つるつる温泉
    5月 金の湯
    6月 ランプの宿 森つべつ
    7月 金の湯
    8月 大雪高原山荘 高原温泉
    9月 金の湯
    10月 丸瀬布 マウレ山荘
    11月 金の湯

    いやー、最高じゃないですか。わくわく。

    まずは2週間後の19日(土)に金の湯へ行きました。

    ノーザンアークスキー場
    スキー場のふもとにあります
    ノーザンアークホテル
    でかいホテルです

    ホテルに入ります。

    ノーザンアークホテル
    あっちですよ

    いくつかのドアを通り・・・。

    お断り
    背中の絵画鑑賞はできませんよ

    ちょっと楽しみな絵画鑑賞も許しませんよ、ここは金持ちの湯なのだからね。

    フロントで半額券を出して、見事に半額で入ることに成功です。さあて、と、男湯ののれんをくぐり・・・と思ったところで、女湯ののれんをくぐろうとしていたカミさんが驚きの声を上げたのです。
    「ええええ。まさか、これはっ・・・・」
    「半額券は3月31日をもちまして終了・・・っっっ!!」

    ご案内
    これと同様の注意書きがありました

    「あのー、半額券がまだあるんですが、3月いっぱいで終わりですか」
    「はい、さようでございます」
    「きゃーー」

    夢の計画が一瞬にしておじゃんになりました。
    あと12日間で4回来ないと処理できません。どうしよう。ま、いいか。温泉入ろう。

    事前に調べたところ、金の湯特有の施設といえば、「ミストサウナ」であるようなのです。これが楽しみで行くというブログもありました。(普通のサウナもあります)

    ではミストサウナに入ってみよう。割に広いスペースにサマーベッドが2つ部屋の真中にありました。部屋の中は雨が降っているような感じでした。息苦しさはないのですが、サマーベッドに横になってみたら、水滴が目や口に入ってくるので、口が開けられず単に息が苦しいです。目も開けられないです。ううーん。

    それで、入り口に足を向けて寝ていることもあり、誰かが入って来たら、まともに金(ピー)が目に入る位置ですし、顔に水滴がかかってウザウザで、2分程度でたまらなくなって出てしまいました。笑い。

    仰向けになって浅いお湯に浸かり、ジェットが足の裏に当たる的なフロがありました。それは仕切りがなく2人が並んで入れるスペースが2つ、4人まで入れるようになっていました。誰も利用してなかったので、入ってみました。窓からスキー場が見えました。スキー場からも見えていると感じました。(あとで聞いたら外からは見えない加工だそうです)

    うーん、足が短いのか背が低いのか、ジェットが足の裏には遥かに遠くて当たりません。お湯が浅いので、金(ピー)が(ピー)で、ちょっとハズい上に、誰かが来たら肩を寄せあって並ぶ形になってしまいます。たまらずすぐ出ました。

    金の湯は金持ちの金ではなく、人間の男の金(ピー)の(ピー)。
    いやいや、金の湯の評判が落ちてはいけませんね。いや、評判が落ちたら客が少なくなって貸し切りみたいになって良いかもしれませんが。

    この金の湯、何を隠そう、実はものすごく気に入りました。

    まず、洗い場が使いやすい。普通ですが、温度調節とかまあ普通に良いです。結構温度調節が難しい施設も多いんです。普通に管理されていることはとても良いです。
    主浴槽もまあまあ広いですし、お湯は茶色に濁っていて、温泉感が目で味わえます。兵庫(神戸)の有馬温泉と同じ泉質だそうで、ちゃんとした温泉です。まあ当たり前ですがちゃんとしてます。

    露天風呂もあります。屋根があり、半透明のプラ版で仕切られて隙間から空と木の枝がちょこっと見える程度で、風景的にはつまらないです。でも、寒い北見で外気に触れて入る茶色の温泉は悪くないです。氷点下20度くらいの日なら、洗髪後の髪が凍ってシャリシャリになって面白いと思います。やや浴槽が浅めなのも気に入りました。
    中も外もやや暗めで、オレンジ系のライトで落ち着けます。
    ずーっと入っていたい温泉です。

    露天風呂のそばにぬるいジャグジーがあり(これは透明なお湯)、何10分でもぼーーーーーーーっと入っていられます。

    これを書きながら気づいたのですが、金の湯の由来は、ひょっとしたらお湯の色が金に近いからなのかも知れません。某HPにこんな説明がありました。

    100%源泉かけ流しの天然温泉。鉄分を含んだ透明な源泉が、空気に触れると酸化することで赤褐色に変化するお湯が特徴的な、北見温泉「金の湯」。

    800円の入湯料で金持ちっていうのもアレですし、金(ピー)なはずもありませんし、茶色というか赤褐色のお湯が金のイメージなのかも知れません。

    で、半額券は結局、頑張って12日間で5回入り、使い切りました。

     

    ■スタンプ新作

    温泉の話と密接につながっています。このスタンプは、金の湯のジャグジーに浸かりながら、ぼーーーーっと、「あ、やっぱヤツのスタンプ作っちゃおう」「内容的には極めてポジティブでキモめで・・・」と決めて、連絡を取って、作りました。
    まだ承認前で、近々販売になります。本気で使いやすいと思います。お薦めですよ。(もう販売中)

    スタンプ販売中
    モデルは東京の友達であります

     

    今年に入ってからは、以下の2セットを作り、販売になっています。

    スタンプ販売中 スタンプ販売中

    左もどこかの温泉でぼーーーーっと考えたアイディアを元に作りました。
    右は主に、最初の写真の「うるちゃくん」です。

    40個で1セット120円となっていますので、何か、買ってやってください。楽しい使い心地が私からのお礼です。(うまい言い回しだニャ)


  • v274 名探偵が謎の解明に乗り出す

    ■名探偵が謎の解明に乗り出す

    見たことのない風景
    昨年、氷点下15度の深夜、酔って道に迷い、撮影した1枚の写真

    ずっと気になっていたのであります。あの日(前号)、なぜ道に迷い、どこを歩いていたのか。その手がかりとなる1枚の写真。この建物は何だろう。壁に書かれている「TN-111」を検索しても分からない・・・。

    推理は比較的簡単。
    ★スタートした店から歩いていける範囲、せいぜい3~4km以内にこの建物がある。
    ★ローソンに立ち寄ってタクシーを呼んでもらっている。つまりローソンが近い。
    ★ローソンのカウンターは出入り口から入って左側にある。
    ★記憶の片隅には、深い山々が見え、民家すらない郊外を通った。

    この町は、4車線の国道と石北本線の鉄道が平行する分厚い壁が北と南を分断しています。会場(謎の仮装大会)と我が家は北に存在し、その距離は1.5kmほどしかありません。この距離でなぜ迷子になってしまったのか。

    猫
    わからないにゃー

    会場から南に向かえば国道と鉄道が阻むため、南へ向かうことはあり得ない。
    迷うとしたら、西か東へ行き過ぎるパターンしかない。

    暮れに、車で町へ出たついでに、この謎の建物を探すべく、のろのろうろうろと車を走らせ探してみました。ローソンを見つければその近辺にこの建物があるはず。

    まずは東方向。
    さっそく1km以内にローソンがありました。しかし近すぎるし、カウンターの位置が違う。近辺に民家も多い。ということで、やはりこの近辺にはあの建物はありませんでした。そして東方向にはもうローソンが見つかりませんでした。
    探す作業もさっそく逆からやっちまったようです。

    次は西方向。
    西へと向かうと、途中で曲がってくる4車線の国道が邪魔をします。その手前を北へ向かうとローソンが2~3店あります。近所には自然公園もあります。

    ただ、これらも近すぎるのです。迷うほどの距離ではない。
    まさかこんな近くで迷うだろうか。

    ひとつのローソンのカウンターの位置が記憶と合致しました。この近くであの建物を探しました。あっちこっち、のろのろ、うろうろと車を走らせました。でも見つかりません。
    「やっぱり違う」

    猫
    わからないにゃー

    その日はあきらめました。

    あけましておめでとうございます。
    1月1日、ヒマつぶしにドライブしました。そして、やはり迷った道と建物が気になり、再度探したのです。

    東にはない。西にもない。北は自宅エリア。
    あり得ないが南かもしれない。国道と鉄道を越えた南側には大きな川(常呂川=ところがわ)が流れています。その川沿いを4~5km東から、目を皿にして探しました。

    「いやー、こんなところまで来ないし、南側に来るはずがないんだよ」
    すると名探偵のカミさんが言いました。
    「ありえない方向へ行ってる可能性はある」

    そして駅の真裏のよく知っている道路を通過。
    「うーん、この陸橋は渡るはずがない。渡る前に場所が分かる」
    探偵「確かにこれはあり得ないね」

    「ここは特徴的な五差路を渡らないとならないから渡る前に分かる」
    「ここには何度も買い物に来てるし、見れば場所が分かる」
    探偵「うーん、そうだなー、あり得ないな。でも暗い深夜だから・・・」

    突き当たりを右へ行けば国道。仕方なしに左へ曲がった時でした。
    探偵「あっ、あの形っ」
    「あっ、あれはめちゃめちゃ似ている。あ、書いてある文字も同じだ」

    ガスタンク
    googleのストリートビューのキャプチャ画像です。
    自分が撮った写真と同じアングルでキャプチャしました。

    なんということでしょう。あり得ない場所に建物がありました。
    当時、この画像の向こう側(北)から歩いて来て、見慣れない建物に不安になり、振り向いてこのアングルから建物を撮影したと思われます。

    ここからローソンを探します。
    南へ進むと常呂川に突き当たりました。川の向こうの山しか見えない風景となり、記憶と合致しました。ここはかつてこの通信で書いた「南丘森林公園」(v250)の山でした。

    探偵「来たことあるじゃん」

    まあ深夜の2時過ぎにここに来ても分かるはずはないのです。酔ってたし。
    それからローラー作戦のようにローソンを探し、発見。やはり近所にありました。家から3km、会場(店)から1.5km。完全な真逆。ほぼ180度の等距離。見事なまでの正反対の位置でした。

    トータル推理はこうです。
    探偵曰く。
    まず、店を出る時点で北側の道に出たつもりが南側に出ていて、結果、東に向かったつもりが西へ向かった。大きめの通りを国道とは分からずに横断。いつもなら分かる風景が交通量もほとんど無く、深夜のため暗過ぎて見えず、しかも氷点下15度の寒さと泥酔で視野が狭くなり、北へ向かっている錯覚のまま南へ歩く。
    見慣れた風景も暗さと酔いで気づかず通過。
    変な建物があり、なんだこの見たこともない建物は、と撮影。
    そこからさらに南へ進み、何となく歩いていったら川沿いに突き当たり(しかし川は見えない)、山が立ちふさがるような光景を見る。ゾッとするような山道と勘違い。かなり心細くなり、民家のある方へ引き返す。
    右折左折を繰り返しているうちにローソンを発見。飛んで火にいる夏の虫のようにローソンへ駆け込む。(笑)
    何も買わずにタクシーに乗ったため、ローソンの領収書などの手がかりをも残せなかったのが現場発見を遅らせたのである。

    温かいコーヒーの一杯でも買っていたら、時間と○○(町名)店の正確な表示が手に入っていたのに。

    しかしまぁ、自分でもまさかの道を歩いていたことに驚愕したのでありました。
    事件は解決し、心に平和が戻ってきました。次は気をつけよう。

    皆さん人生の道は誤らないで下さいね。