• v019 初老のせいでタコのコリを取った

    ■初老のせいでタコのコリを取った

    猫のトラッシュ

    自宅でよく酒を飲みます。日本酒に焼酎、ワイン、紹興酒、ビール、などなど。
    居酒屋へは行く頻度が減りました。札幌には知り合いがほとんどいないですから、仕方ありません。

    おかげで仕事や愛や勇気や世界平和や地球温暖化に伴う人類の存亡についてのことや、新しいエネルギーへの転換が急務であることやドラフトの完全ウエーバーのこと、おいしい店の話やグレープフルーツの香りのダイエット効果のことや、西洋医学は根本的に間違っていること、現代人のほとんどが精神病であること、記念切手の発行が多すぎること、魚介類が人類への復讐を企てていること、ラーメンのポイントはやはり麺の縮れ具合であること、牛や豚の苦しみ悲しみについてのこと、地球は実は地獄であること、ネコも夢を見ること、放射性物質は半減期が数億年単位であること、CPUはタダの石の塊に見えるのにいろんな指示をきちんと聞く不思議についてのこと、などなど、について語ることが減っています。

    そんなある日、自宅で日本酒(比較的安い「まなぐ凧」という青森の純米酒)を、「凧」だからというわけではなく「タコの刺身」で飲んでいました。
    タコにはわさびが合います。わさびはしょう油に溶かすより、直接ネタに乗せてしょう油につけて食べるとわさびの風味が活きるらしいので、ねりわさびのチューブを手に、ねりねりっとタコに乗せました。

    「あっ、この透明性の高いゲル状のものは何だっ」

    チューブのキャップが黄緑で、ほとんど同じ大きさの、わさびのチューブによく似たそれは、肩こりに効くバンテリンという消炎剤でした。
    タコのコリがとれたかも知れません。それはともかく、これほどのマジボケは記憶がなく、

    「ついにここまできてしまったか…」

    というショック状態でビリビリしびれていました。これは老化なのでしょうか。
    でもよく考えたら、昔から、私の好きなハインラインの「夏への扉」を、何度読んでもすぐにストーリーを忘れてしまい、読む度に感動していたことも事実。これほどのマジボケの記憶がないのは、まさに記憶だけないのであって、かなり前からボケは始まっていたのかも知れません。
    こんなこと書いても何の意味もない。

    とにかくかつてないショックを受けたのであります。

    ※写真は酒が嫌いな我が家の猫です。どうでもいい、と言っています。


  • v018 花ばっかり

    ■花ばっかり

    花

    札幌に来て良かったなぁと思える、もっとも大きなことは、外を歩いていると必ず花が目に入ることです。特に、たんぽぽの黄色が美しく感じます。駐車場のふちに、道の脇に、空き地に、たくさん見られます。
    たんぽぽだけじゃなく、よくわからない花もたくさん咲いています。それもどの花も小振りできれいな花ばかり。高山植物の類いではないかと思います。自然に生えているってのがまたいいのです。

    買い物などで外に出ると、歩くのが面倒だなぁとか思うのですが、花がいろいろ咲いていると気分が良くなり、立ち止まって眺めたりすることが多いです。何となく気分の良くない時も、外へ出ると全部忘れるくらい気分が良くなります。

    札幌はほとんどどこへいっても花壇があり、街路樹の下などに本当にいろいろな花がカラフルに植えられています。誰が手入れをしているのかわかりませんが、その数はものすごいものです。

    多分1年の半分が雪に覆われるからでしょうか、植物が元気な半年をめいっぱい有効に使っているのでしょう。花の季節がもうそろそろ終わります。でも雪は雪でまた悪くはないです。

    ある日、町を歩いている時、前から小さな女の子連れの親子とすれ違いました。その母が子どもを叱ったのですが、それが実に微笑ましかったのです。
    「何してるのっ!! 花ばっかり見ないっ!!」

    怒るなよ、って思って、ちょっとにやけてしまいました。


  • v017 ゴミ収集問題の謎 その3:お祭りの惨状

    ■ゴミ収集問題の謎 その3:お祭りの惨状

    札幌の夜景

    燃えるゴミと燃えないゴミは分けて出すのが常識となった今日この頃。
    正直なところ、それに慣れてしまって、神経質になっている自分がイヤになる時があります。

    さすがにまだ“ビン”と“ビンのラベル”を分別するほどの「ゴミ奉行」ではありませんが、この頃ペットボトルとそのフタは分けたくなっている自分がいます。コピー用紙とホッチキスの針もです。
    分別の意識レベルは一度上がるとなかなか落ちません。古新聞の中にチラシや雑誌を混ぜることもしなくなったりします。

    私の考える最上級は、古いビン詰め商品の中身を腐っていてもカビが生えていても中から出して、ビンを洗って乾燥させてから捨てるというやつで、たまらんです、これは。
    古いビンの中の尋常ではないものが見えていて、中身出せますか。私なら目をつぶって捨てます。
    しかしそれを許さない「ゴミ奉行」を越えた「ゴミ独裁者」とも言える人が存在します。

    うちにはゴミ独裁者がいるので部屋がゴミだらけです。(ここ笑うところですよ)
    開けることができないので、捨てられないし。
    札幌市が“求めている”のは明らかに「ゴミ独裁者」レベルです。
    缶ゴミを出すときは“中を軽くすすいでから”出さねばなりません。缶ビールを飲んでそのままポイってのはダメなことになっています。ビンの中身は出し切り、マヨネーズは絞り切る、油もできるだけ切る、洗剤等も使い切る、そしてすすいでから出すのがルールです。
    このレベルのことを札幌のゴミガイドは平然と言いのけています。
    ただし、何だこれはと思うほど、このガイドとのギャップに驚くゴミ事情があるのです。

    それはお祭りの時。
    現場はいつも目を覆いたくなるような惨状となっています。ゴミ箱は大量に設置されてはいるのですが、ほとんどの場合、そこに「燃やせないゴミ」のゴミ箱がないのです。「燃やせるゴミ」と「資源ゴミ(ビン・缶・ペットボトル)」という2種類のゴミ箱だけ。
    こんな経験をしました。夏のある祭りの時、「おいしいカニ汁」を食べ、燃やせない容器と、生ゴミのカニの殻、燃やせるゴミの割り箸が手元に残りました。それ、全部ひとつの「燃やせるゴミ」のゴミ箱に捨てるしか方法がなかったのです。そして市民のみなさんは、気にする様子もなく全て混ぜこぜに捨てていたのです。あんぐりとしました。

    実は町のコンビニのゴミ箱にも「燃やせないゴミの箱」がなくて困ったこともありました。結局は燃やせるゴミ箱に燃やせないゴミを捨てるしか方法がありませんでした。抵抗ありますよー、ほんとに。

    最近、あるイベント会場の大通公園で、燃やせないゴミのゴミ箱を発見し、びっくりしてしまいました。(笑)
    それにしても、こんな感じに神経質になっている自分がイヤになります。

    ※写真は札幌の夜景です。こんなちっぽけな話をあざ笑うかのような美しさです。


  • v016 ゴミ収集問題の謎 その2:解けない謎

    ■ゴミ収集問題の謎 その2:解けない謎

    ゴミ 廃棄物

    今年3月、東京から札幌へ引っ越す際に、ゴミのことでとても困ったことがありました。
    スプレー式の殺虫剤の処分です。

    札幌市が出しているA4で32ページ、イラストをふんだんに使ったフルカラーの立派な冊子「家庭用 ひと目でわかる 改訂版 ごみ分けガイド」によると、このスプレー缶の処分の仕方についてはこう書かれています。

    整髪料・殺虫剤・卓上ボンベなどは、中身を出し切ってから
    屋上などの風通しの良い場所で穴をあけ、
    中身の見える別袋に入れてください。

    引越しの際、処分に困っていた殺虫剤は、中身がたっぷり残っているものが5~6缶ありました。穴を空けたら人間が殺虫剤をたっぷり浴びて死んでしまいます。使い切るまで噴霧するのは危険です。外で出し切ったらいいとも思いません。だって町に薬剤をばらまくことになります。で、結局どうしようもなくてそのまま捨ててしまったのです。

    おそらくどう考えてもいい結果は生んでいないでしょう。そのことが妙に気にかかっていたので、立派な冊子を出している札幌市の清掃事業部ならいい解決法を知っているだろうと電話してみました。さて、本当に正しいスプレー式殺虫剤の処分の仕方とは…。

    「もしもし、ごみの捨て方で、ひとつお聞きしたいのですが」
    「はい」
    「殺虫剤のスプレーが大量に残っているんですが、この場合どうしたらいいですか」
    「あ、えー…中味を出し切った上で、缶に穴をあけてください」
    (あらっ、杓子定規かよっ、と思いつつ)
    「なにぶん殺虫剤なので…、部屋で噴霧するのも危険ですし…」
    「そうですね、屋上などで中味を出し切って、缶に穴をあけてください」
    (屋上かよっ、と思いつつ)
    「え、人のいないところという意味ですね。山の中とか…」
    「屋上などで出し切って、缶に穴をあけてください。屋上ありますか」
    (なんで屋上なんだよ、と思いつつ)
    「はい、ありますけど、いいんですか」
    「人のいない屋上でやってください」
    (屋上限定じゃん、と思いつつ)
    「じゃあそうします。ありがとうございました」

    屋上にこだわっている意味がよくわかりませんでしたが、あとになって思いました。人のいない山や川の近くで劇薬を垂れ流すと、動植物に影響があるな、と。
    そうか、屋上でなら毒物が薄く広く町に降りかかるわけで、人間が作った毒物は人間に還元してこそ真の自己責任が果たせるというわけなのだな、と。
    札幌市役所の職員さんには地球への愛が感じられたのでした。(ウソ)

    というか、なぜ屋上なのかはやっぱり謎です。

    というわけで、札幌にお住まいで、スプレー式殺虫剤の処理に困っている方にお願いです。決してどこかの屋上で噴霧し切るような無謀なことはやめてください。
    他の市町村の処理方法を、どなたか知っていたら教えてください。(泣)


  • v015 ゴミ収集問題の謎 その1:解けた謎

    ■ゴミ収集問題の謎 その1:解けた謎

    ゴミガイド

    札幌市環境局清掃事業部発行の「家庭用 ひと目でわかる 改訂版 ごみ分けガイド」というひと目でわかりそうでわからない冊子があります。A4で32ページ、イラストをふんだんに使ったフルカラーの立派なものです。

    「ひと目でわかる」というように、確かにわかりやすそうなまとめ方はしてあるのですが、どうも腑に落ちないのです。それは現実にゴミを捨てようと改めてそれを見ると、どう考えてもゴミをうまく捨てられないのです。
    最終的にはそのガイドを無視した形で捨てざるを得ませんでした。いつも心を痛めて捨てていました。

    実は、長年暮らした東京から札幌へ来たことで、ガイドの図を理解することができなかったのです。これを書いている10月8日、引っ越して7か月めにして初めて理解できました。

    具体的に説明しましょう。

    ゴミは大別して、「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」「燃やせないゴミ」「燃やせるゴミ」「大型ゴミ」「他」の6つになります。「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」は「資源の日」に捨てるように書かれています。

    ガイドによると
    「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」については、それぞれ別の収集車が回収する、と書いてあります。あーそーですか、で済みそうなこの部分が結構重要なポイントでした。
    これが「回収して、運ばれた後に選別される」とあればピンときたと思うのです。
    つまりこれが何を意味するかというと、「ビン、缶、ペットボトル」はひとつの袋に入れて出して良いということなのです。

    こんな勘違いをしていました。
    ガイドには、ビン、缶、ペットボトルはひとつの袋に一緒に入れてもいいような図が書かれています。しかしこれまでは缶ですら「アルミ」と「スチール」に分けて袋詰めして出していたくらいですから、私にはビン、缶、ペットボトルを一緒に入れるような無謀なことは考えられませんでした。
    どうですか、ビン、缶、ペットボトルをひとつの袋に入れるって、そんなコーランを踏むようなことができますか。できませんね。
    だからガイドの「ビン、缶、ペットボトル」というのはひとつのジャンル分けであって、それぞれ別の袋に入れるのだな、と理解してしまったのです。これが大きな勘違いを生みました。

    別のひとくくり(ジャンル)の「プラスチック」も当然、内容が細分化されています。
    「パック・カップ類」「プラスチック製ボトル類」「チューブ類」「ポリ袋・ラップ類」「トレイ類」「緩衝剤」「ネット類」「その他」の8つなのですが、「ビン、缶、ペットボトル」の勘違いから、「それぞれを別々の袋にいれなさい」としか解釈できなかったのです。
    引っ越してきた当初は「なんじゃこの細かさはっ」と頭を抱えてしまいました。北海道はなんてやることが細かいのだっ、と思いました。全然おおらかじゃない、なんて。

    そう考えてしまうとドツボにはまります。
    「燃やせないごみ」は、「台所・水回り用品」「資源の日に収集しない容器」「皮革・ゴム」「小型家電製品類」「玩具・文房具類」「ブロック・レンガ」「木の根」(何だこれは…)の7つに分類され、さらに「他のものと分けて出す燃やせないごみ」というのが3つありまして、「スプレー式容器」「ガラス・せともの・蛍光管」「筒型乾電池」となっています。
    この10種類を別々の袋にきっちり入れて出さねばならないように見えてしまうのです。

    できるんですか、私に。教えてください、文房具類はいつになったら袋一杯になってくれるんですか、文房具類だけを回収する車があるんですか、割れた茶碗もいつになったら袋一杯になるのですか、回収車はいったい何種類あるのですか、こんなに細かく分ける意味ってあるのですか、山は死にますか、海は死にますか…はあはあ…。
    なんてことを考えていました。しかしできるはずがないのです。それで仕方なく混ぜて袋に入れていたので、心を傷めていたというわけです。

    ついでにもう少し。
    先にも書きましたが、資源ゴミは回収された後、資源選別センターというところで選別するので、缶も「アルミ」と「スチール」で分ける必要がありません。だから缶は潰すと選別ができないので“潰して捨ててはいけない”ことになっています。ペットボトルもリサイクルのマークが見えなくなるためか、これも潰して捨ててはいけないのです。
    缶はつい癖で潰してしまうのでとてもやっかいです。潰したくてウズウズするのを我慢しないといけません。ゴミのカサを減らす意味で潰していたのに、何となく理不尽です。

    これはひとつのカルチャーショックなのでありましょう。