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  • v016 ゴミ収集問題の謎 その2:解けない謎

    ■ゴミ収集問題の謎 その2:解けない謎

    ゴミ 廃棄物

    今年3月、東京から札幌へ引っ越す際に、ゴミのことでとても困ったことがありました。
    スプレー式の殺虫剤の処分です。

    札幌市が出しているA4で32ページ、イラストをふんだんに使ったフルカラーの立派な冊子「家庭用 ひと目でわかる 改訂版 ごみ分けガイド」によると、このスプレー缶の処分の仕方についてはこう書かれています。

    整髪料・殺虫剤・卓上ボンベなどは、中身を出し切ってから
    屋上などの風通しの良い場所で穴をあけ、
    中身の見える別袋に入れてください。

    引越しの際、処分に困っていた殺虫剤は、中身がたっぷり残っているものが5~6缶ありました。穴を空けたら人間が殺虫剤をたっぷり浴びて死んでしまいます。使い切るまで噴霧するのは危険です。外で出し切ったらいいとも思いません。だって町に薬剤をばらまくことになります。で、結局どうしようもなくてそのまま捨ててしまったのです。

    おそらくどう考えてもいい結果は生んでいないでしょう。そのことが妙に気にかかっていたので、立派な冊子を出している札幌市の清掃事業部ならいい解決法を知っているだろうと電話してみました。さて、本当に正しいスプレー式殺虫剤の処分の仕方とは…。

    「もしもし、ごみの捨て方で、ひとつお聞きしたいのですが」
    「はい」
    「殺虫剤のスプレーが大量に残っているんですが、この場合どうしたらいいですか」
    「あ、えー…中味を出し切った上で、缶に穴をあけてください」
    (あらっ、杓子定規かよっ、と思いつつ)
    「なにぶん殺虫剤なので…、部屋で噴霧するのも危険ですし…」
    「そうですね、屋上などで中味を出し切って、缶に穴をあけてください」
    (屋上かよっ、と思いつつ)
    「え、人のいないところという意味ですね。山の中とか…」
    「屋上などで出し切って、缶に穴をあけてください。屋上ありますか」
    (なんで屋上なんだよ、と思いつつ)
    「はい、ありますけど、いいんですか」
    「人のいない屋上でやってください」
    (屋上限定じゃん、と思いつつ)
    「じゃあそうします。ありがとうございました」

    屋上にこだわっている意味がよくわかりませんでしたが、あとになって思いました。人のいない山や川の近くで劇薬を垂れ流すと、動植物に影響があるな、と。
    そうか、屋上でなら毒物が薄く広く町に降りかかるわけで、人間が作った毒物は人間に還元してこそ真の自己責任が果たせるというわけなのだな、と。
    札幌市役所の職員さんには地球への愛が感じられたのでした。(ウソ)

    というか、なぜ屋上なのかはやっぱり謎です。

    というわけで、札幌にお住まいで、スプレー式殺虫剤の処理に困っている方にお願いです。決してどこかの屋上で噴霧し切るような無謀なことはやめてください。
    他の市町村の処理方法を、どなたか知っていたら教えてください。(泣)


  • v015 ゴミ収集問題の謎 その1:解けた謎

    ■ゴミ収集問題の謎 その1:解けた謎

    ゴミガイド

    札幌市環境局清掃事業部発行の「家庭用 ひと目でわかる 改訂版 ごみ分けガイド」というひと目でわかりそうでわからない冊子があります。A4で32ページ、イラストをふんだんに使ったフルカラーの立派なものです。

    「ひと目でわかる」というように、確かにわかりやすそうなまとめ方はしてあるのですが、どうも腑に落ちないのです。それは現実にゴミを捨てようと改めてそれを見ると、どう考えてもゴミをうまく捨てられないのです。
    最終的にはそのガイドを無視した形で捨てざるを得ませんでした。いつも心を痛めて捨てていました。

    実は、長年暮らした東京から札幌へ来たことで、ガイドの図を理解することができなかったのです。これを書いている10月8日、引っ越して7か月めにして初めて理解できました。

    具体的に説明しましょう。

    ゴミは大別して、「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」「燃やせないゴミ」「燃やせるゴミ」「大型ゴミ」「他」の6つになります。「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」は「資源の日」に捨てるように書かれています。

    ガイドによると
    「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」については、それぞれ別の収集車が回収する、と書いてあります。あーそーですか、で済みそうなこの部分が結構重要なポイントでした。
    これが「回収して、運ばれた後に選別される」とあればピンときたと思うのです。
    つまりこれが何を意味するかというと、「ビン、缶、ペットボトル」はひとつの袋に入れて出して良いということなのです。

    こんな勘違いをしていました。
    ガイドには、ビン、缶、ペットボトルはひとつの袋に一緒に入れてもいいような図が書かれています。しかしこれまでは缶ですら「アルミ」と「スチール」に分けて袋詰めして出していたくらいですから、私にはビン、缶、ペットボトルを一緒に入れるような無謀なことは考えられませんでした。
    どうですか、ビン、缶、ペットボトルをひとつの袋に入れるって、そんなコーランを踏むようなことができますか。できませんね。
    だからガイドの「ビン、缶、ペットボトル」というのはひとつのジャンル分けであって、それぞれ別の袋に入れるのだな、と理解してしまったのです。これが大きな勘違いを生みました。

    別のひとくくり(ジャンル)の「プラスチック」も当然、内容が細分化されています。
    「パック・カップ類」「プラスチック製ボトル類」「チューブ類」「ポリ袋・ラップ類」「トレイ類」「緩衝剤」「ネット類」「その他」の8つなのですが、「ビン、缶、ペットボトル」の勘違いから、「それぞれを別々の袋にいれなさい」としか解釈できなかったのです。
    引っ越してきた当初は「なんじゃこの細かさはっ」と頭を抱えてしまいました。北海道はなんてやることが細かいのだっ、と思いました。全然おおらかじゃない、なんて。

    そう考えてしまうとドツボにはまります。
    「燃やせないごみ」は、「台所・水回り用品」「資源の日に収集しない容器」「皮革・ゴム」「小型家電製品類」「玩具・文房具類」「ブロック・レンガ」「木の根」(何だこれは…)の7つに分類され、さらに「他のものと分けて出す燃やせないごみ」というのが3つありまして、「スプレー式容器」「ガラス・せともの・蛍光管」「筒型乾電池」となっています。
    この10種類を別々の袋にきっちり入れて出さねばならないように見えてしまうのです。

    できるんですか、私に。教えてください、文房具類はいつになったら袋一杯になってくれるんですか、文房具類だけを回収する車があるんですか、割れた茶碗もいつになったら袋一杯になるのですか、回収車はいったい何種類あるのですか、こんなに細かく分ける意味ってあるのですか、山は死にますか、海は死にますか…はあはあ…。
    なんてことを考えていました。しかしできるはずがないのです。それで仕方なく混ぜて袋に入れていたので、心を傷めていたというわけです。

    ついでにもう少し。
    先にも書きましたが、資源ゴミは回収された後、資源選別センターというところで選別するので、缶も「アルミ」と「スチール」で分ける必要がありません。だから缶は潰すと選別ができないので“潰して捨ててはいけない”ことになっています。ペットボトルもリサイクルのマークが見えなくなるためか、これも潰して捨ててはいけないのです。
    缶はつい癖で潰してしまうのでとてもやっかいです。潰したくてウズウズするのを我慢しないといけません。ゴミのカサを減らす意味で潰していたのに、何となく理不尽です。

    これはひとつのカルチャーショックなのでありましょう。