■がっかりを検証する―その1・時計台
札幌の観光名所のひとつである「時計台」は、訪れた時にがっかりするがっかり名所と言われています。
もっと広く捉えると、「函館の五稜郭」「宗谷岬」と並び、「札幌の時計台」は“北海道の三大がっかり”と言われております。
もう少し大きなスケールで見てみますと、【日本】の“三大がっかり”というのがありまして、「高知の播磨屋橋」と「沖縄の守礼門」、そして何と「札幌の時計台」がきっちり入っているのです。
高知と沖縄の方、友達ですね。
つまり、札幌の時計台は、我が国の“がっかりの王様”的存在なのです。ということで今回は「時計台」のがっかりを検証してみましょう。
時計台と言えば札幌のシンボル的建造物であります。写真を見ると、まわりには木が生い茂り、さぞかし良い環境の中に、歴史的風格を醸し出しつつ存在しているかのようです。
時計がメインの建物なので、日常的で、どこか親しみを感じる部分もあります。それと色・形状・質感、どれもいい味出てますよね。もしかしてクラークさんが住んでるんじゃないかとか、知事が時計のねじを巻いてるんじゃないかとか、そんな名のある人にも友達のように会えてしまいそうな建造物であります。(えーっ?)
そんなイメージを膨らませながら(どんなイメージじゃいっ)札幌へと来た観光客は、こんな風景に出会います。
「え、どこどこ? ……」
ですよね。
しかも周りはビルだらけ。道路は車がひっきりなし。この時点でもうすっかりがっかりです。多分誰でも。
観光用の写真がいろいろな思いを膨らませてくれる分だけ、マイナスポイントがアップするわけです。
私も26年ほど前に、高校の修学旅行で初めて見た時には、目が点になったものです。あれからここはほとんど変わってないと思います。
それは確かに古い建物(1878年築)ですから、レトロで重厚感はあります。でも敷地は狭くて、周辺のビルの圧迫感などが加わり、「思ったより小さく感じる」のです。
このポイントから写真を撮りなさい、というお立ち台があり、まるで別人のように写る、角度美人のような誤摩化しもちょっと感じたりします。
「そうだったのか」
と思うこと請け合いです。
時計台の中へ入ろうとすると、入場料を取られるのでがっかりします。でも入場料が200円という安さなのでちょっとがっかり感は緩和されます。
中へ入ると札幌の歴史が書かれたパネルなどがあり、勉強かっ、てなもんで、観光気分がちょっと削がれてがっかりします。
2階は講堂になっていて、ガラーンとした感じです。窓から外を見るとビルと舗装道路で何てことない風景にがっかりします。200円が高く感じるかも知れません。
売店の小ささにもがっかりします。そこには、この歴史ある時計台のキャラクター商品があり、それが「時計大臣」というダジャレなので、ぐったりします。
しかし、がっかり、ぐったりしていても仕方がないですから、このがっかり感を味わうことをひとつの楽しみにすれば、ここはなかなかのスポットではないかと思うわけであります。
PS
ちなみに、【世界三大がっかり】は、諸説あるのですが、ブリュッセルの「小便小僧」と、コペンハーゲンの「人魚姫」、それにシンガポールの「マーライオン」だそうです。
時計台はランク外でした。残念。
■第48回 愉快な札幌大発見:かーにばる
カニの店です。
そろそろもう限界です。