• v089 手稲山 その2/愉快な札幌19:手稲区

    ■手稲(ていね)山 その2

    手稲山頂上からの夜景
    手稲山頂上からの夜景は格別。

    いろんな事に耳ダンボになっているカミさんが、手稲山でちょっとしたイベントをやっている情報をゲット。そこが意外に近い事から2人で足を運んでみました。

    JR札幌駅からわずか15分、そしてバス30分で、手稲の一番上のスキー場に到着。ここからロープウェーで頂上へ行くのですが、そのイベントとは、手稲山の頂上からスープをすすりながら夜景を観る、というものでした。ロープウェイ往復料金込みで1200円ポッキリ。

    「山頂夜景ツアーのチケットください」
    「はい。あ、あのー、あのですね」
    「はい」
    「今天気が悪くてガスがかかってるんで、夜景見えないと思うんですよ」
    「えっ、あ、でも、いいですよ(せっかく来たんだし)」
    「そうですか、晴れるといいんですがね。でもむずかしいかなぁ」

    そしてチケットを渡されるとこんなセリフがっ

    「ちょっと待ってください。ロープウェイ持ってきますから」

    広い待合室に石油ストーブが焚かれていて、自分たち以外は他に誰もいません。ロープウェイ持ってくるってどういうことなのか分かりますか?
    それは出発時間関係なしに、客が来たら乗っけるみたいなアバウトな運行で、ロープウェイを貸し切り状態で乗れちゃったわけです。しかし天候が悪く、添乗員のお兄さんがいろいろと話しかけてきました。

    「ちょっと揺れますけど、大丈夫ですから」
    「わかりますよ。危険だったら添乗員のお兄さんがいませんよね」
    「そうですね。うーんでも今日は本当に天候が悪いので夜景は難しいですね」
    「貸し切りのロープウェイに乗れただけでも満足ですよ」
    「上に行ったら雪上車も貸し切りですよ、ははは」
    「ほほー、雪上車にも乗れるんですかぁ、嬉しいなぁ」

    ロープウェイから
    ロープウェイから撮影。風も吹き荒れ、楽しい。上に着くと、雪上車が待っていました。夜景のポイントまで乗せてくれるのです。
    雪上車
    かっこええーっ!! ベンツのエンジンだそうです 。(画像は少し明るくしてあります)

    さて、夜景のポイントと言っても、そこはスキーのリフトの降り口でした。夜間スキーは山の中腹あたりから下なので、スキー客はいません。一軒、山小屋的な喫茶店(?)があり、そこでスープの引換券を渡せば中でスープが飲めるようになっていました。

    雪上車は我々2人を降ろし去っていきました。小屋の中は暖かそうで、入ってしまったら外に出るのが億劫になると思い、30分ばかり吹雪の中をうろついていました。吹雪ですよ、吹雪。まわりに見えたのは、にょきにょきと生えているテレビの巨大な電波塔群くらいなものでした。
    もう寒くて暗くてろくに景色も見えず、雪山遭難みたいな感じになっていました。

    「これ、ツアーなのか?」(楽しいけど)

    ところが、強い風のせいでモヤが吹き飛び始め、じわじわと晴れて来たのです。徐々に街の灯りが見えてきて、ついにスーッと晴れてくれたのです。これがなかなかの絶景。下る時に聞いてみたところ、何と、岩見沢の灯りまで見えていたのです。もっといい時にはあの夕張まで見えてしまうそうです。(気になる人は地図で調べてね)

    まあしかし寒い。限界を感じ小屋に入りました。中はほとんどろうそくの灯りだけでとても暗かったのですが、なぜこんなに暗いのかはすぐに理解できました。夜景方向に向いている窓が、宇宙船の司令室みたいにワイドで、外の風景がよく見える作りになっていました。つまり夜景を見やすくするために、部屋が外より明るくならないようにしていたのです。

    中は意外に広く、奥の方にカウンターがあり、ボトルが見えました。一応ここが酒も置いているバーのようなところであるのだなと理解しました。真ん中には石油ストーブがあり暖をとれました。実に静かで、いい雰囲気でした。歩くと板がギシギシ鳴ります。

    あとは暖かいスープを頼むだけです。そのうち注文をとりに来るだろうと、窓辺に座り、夜景を眺めておりました。

    ところが店員は来ません。いつまでたっても来ません。テーブルの上にはメニューが置いてありましたが、ろうそくの小さい灯りだけなので、暗くて文字が見えにくい状態でした。暗い部屋に目が慣れてきた頃に、メニューの端に小さく書かれていた注意書きが見えてきました。

    「なになに、注文はカウンターでお願いします、だって」
    「こっちから頼みにいくのかっ。見えないっちゅうの」

    スープは5種類もあり、私は「エンドウ豆のグリーンスープ」を選びました。もう、味はうまいに決まってるので説明しません。
    そして外はどんどんどんどん街の灯りが鮮やかに見えてくるのでした。

    普段の行いが良いと、こんなご褒美に預かってしまうのですね。(ベタなオチだなぁ)
    (このイベントはもう終了しています)

     

    ■第19回 愉快な札幌大発見:手稲区役所ホームページ

    さすがは札幌市、と思いました。私の求めていたものがそこにはありました。市(区)をあげてダジャレをかましています。
    こちらのトップ。 ←クリックっ


  • v088 手稲山 その1/愉快な札幌18:ダジャレハウス

    ■手稲(ていね)山 その1

    手稲山はもう見えない…。

    ちょうど2年前札幌に引越してきた時、我が家の窓からは「手稲山」(ていねやま)が見えておりました。手稲山の頂上には、おそらく地上波の全テレビ局の電波塔があり、にょきにょき生えているのが肉眼でも確認できました。(上の写真には拡大したものを付けましたが、はっきり見えました)

    それからちょうど1年後に、手稲山の電波塔を隠すように、でかいマンションがにょっきりと生えてしまいました。それがあの耐震偽装をしていたAPAマンションの建物だったのですが、生えてきたタイミングが実にナイスだったのです。

    街の景観・美観を損ねる高層ビルをむやみに建てさせないために、札幌市が建物の高さの制限を検討していた時期で、テレビでもその話題は取り上げられ、明らかに景観を壊す高層ビルへの不快感を示していました。

    制限が決まる前に、滑り込むようにしてAPAマンションが建ったのです。実に分かりやすいナイスなタイミング。焦って建てた印象は拭えません。それからすぐに、他のもっと高いマンションですが、建設計画が却下されるなど、大きな建物が明らかに建てにくくなったのです。住民の声もあるでしょうし、周囲の雰囲気や、景観にも気を配らないといけなくなったんです。

    APAマンションが連日スクスクと伸びて、それが生え切ってしまった時にはこう思いました。

    「えーーっ! 邪魔くさーっ! でかすぎーっ! 山見えんしーっ!」

    窓から見えた広々とした空間が台無しになってしまいました。ウチのビルもでかいっちゃーでかいのですが、4車線の広い道路の脇で、35年前からあるわけですし、建った当時の事情が違うわけで、だからウチはまあ許してもらえると思うんです。

    APAという会社については、たまたま悪しき噂が流れていたので知っていたのですが、まさかすぐ近くに建設していた物件がそれとは知りませんでした。

    その直後に耐震偽装が発覚し、ニュースになりました。それはずっと前から指摘されていた京都の2物件でした。ウチの近くににょっきり生えたマンションについてはまだよくわかりませんが、あれもとっても怪しいと思う。

    APAの女社長がみのもんたと仲が良く、それ以前に大問題になっていた耐震偽装問題とまったく同じ構図なのに、みのもんたにはズバッと非難されるどころかホロッと同情され、逆に被害者だなどと擁護されたり、APAの社長のダンナが安倍晋三の「安晋会」の副会長だからなのか、何か圧力があってなのか、マスコミも非常に消極的で、事が大きくならないように情報操作されている、といった話もあります。詳細を知ればまた怒りが込み上げるような内容なのですが、この研究所通信のカラーに合わないのでやめときます。(結構書いてるじゃん)

    で、その見えなくなった手稲山の向こう側にはスキー場がありまして、ちょっとしたイベントをやっていることを小耳に挟みました。ウチの窓から見えた(今は見えない)手稲山はとても遠くに見え、あそこまで行くにはちょっとした小旅行になるなぁ、なんて思っていたのです。

    でもその手稲山も札幌市手稲区なんです。市内なんです。調べてみれば電車でわずか6駅。JRで15分程度で行ってしまうんです。(札幌駅までが少し遠かったりしますが)
    だからちょっと足を運んでみました。そうしたら、そこにあったのはスリルとサスペンスとメルヘンと感動の世界だったのです。つづく。

     

    ■第18回 愉快な札幌大発見:ダジャレハウス

    我が家から歩いて1時間くらいかかるであろう遠い場所にあった数々のダジャレの店名や変な名前の店(前回・前々回参照)は、実はひとつの建物にあったのでした。
    「ばー・さん」(婆さん)
    「愛真祥」(会いましょう)
    「おかえり菜々」(おかえりなさい)
    「あ・そ・こ」
    と、これを発見した時は、4週は持つなぁ、なんて思いましたけど、3週で終わりですね。(しかも今回は手抜き?)


  • v087 ブタジル/愉快な札幌17:あいましょう

    ■ブタジル

    大通公園
    大通公園ではマスコミの取材が…

    昨日までノルディック世界選手権が開催されていました。この土日は最後だというのにテレビでもまったく放送がなく、ひっそり終わった感じがしました。
    その期間に合わせるように、大通公園の一角で“札幌にぎわい祭り”と称したイベントが行われておりました。写真の雪の塊はカマクラで、自由に中に入れましたが、入っても別にどうということはありませんでした。

    この写真は先週の土曜日に撮ったものです。その日は無料の豚汁を食べ(うまい)、鹿肉まんじゅう(微妙)を食べ、ビール(うまい)を飲んで帰りましたが、全然にぎわってなかったです。

    豚汁と言えば、現在頭の中では“トンジル”と読んでいますが、私が生まれてから高校卒業までの北海道にいた時に、豚汁のことを“トンジル”と言ったことはなかったと思います。聞いたことも多分ありません。“ブタジル”と言います。いや“ブタジル”としか言いません。

    この日配られていた豚汁も、“ブタジル”無料です~、と係の人が声を上げていましたし、貼り紙にも“ぶたじる”と書かれていました。ブタジルにはいい思い出がありません。昔は給食のブタジルが最強にマズくて食べられず、いつも食べるまで残されていたものです。もちろん食べると吐きそうになるので飲み込んだこともありません。ブタジルが嫌い過ぎて、ブラジルが嫌いだったこともあります。(小学生ってそんなもんです)

    ブタジルって、ブタが汁になったみたいで、どことなくイヤな耳ざわりじゃないですか? やっぱり今でもブタジルって聞くとちょっと引いてしまいます。トンジルだったら、あ、食べてみようかな、という響きではないでしょうか? それは違うな。うん。

    全然にぎわってない“にぎわい祭り”で思ったことでした。

    余談
    新潟の山間部では、豚汁のことを「スキー汁」と言うところもあるのだそうです。スキーが入っているわけではなさそうです。

     

    ■第17回 愉快な札幌大発見:愛真祥(あいましょう)

    ダジャレ

    我が家から歩いて1時間くらいかかるであろう遠い場所にありました。たまたま通りかかって発見したものです。
    「愛真祥」(あいましょう)のダジャレですね。これがバーではなく、焼鳥ですからね。下の「おかえり菜々」(おかえりなさい)も微妙な当て字です。
    次回、驚愕の事実が…。

     

    ◆スノーエンジェルのコンテスト画像の応募をすっかり忘れてしまい、締切が過ぎてしまいました。やはり、賞品のしょぼ味がモチベーションを下げてしまい、撮り直す気持も薄れてしまいました。受賞の楽しみが減って残念です。


  • v086 あるラーメン屋での出来事/愉快な札幌16:ばーさん

    ■あるラーメン屋での出来事

    選手
    今札幌ではノルディック世界選手権が開催されています。
    出場の選手(ポーランドチーム)が近所で走り込みをしていました(記事とは無関係)

    あるラーメン屋に入りました。安くてとても美味しいとの評判で、なるほど確かに、そのラーメンは美味かったのです。

    北海道の店は大抵そうであるように、この店も入口のイメージと違って奥行きのある広い店でした。テーブル席を背に、カウンターに座りました。

    カウンターでラーメンを食べていると、背後で「ピノキオ」の物語を朗読している女の人の優しい声が聞こえてきました。とてもうまい朗読だったので、おそらくテレビからの音であろうと思いました。

    うまいうまいとラーメンを食べていると、滑らかな朗読とは別に、テレビのニュースを読む男性アナウンサーの声が聞こえてきました。
    『おやっ、テレビが2台あるのか?』(そんなわけはない)
    と思いつつ、黙々とラーメンをすすっていました。

    やがてピノキオの朗読が一瞬途切れ、キャッキャと喜ぶ赤ちゃんの声がしました。ありゃ? と思いました。ひょっとしたら後ろのテーブル席で母親が赤ちゃんにピノキオの本を朗読しているのではないだろうか…。

    『いや、ここはラーメン屋であって、それはあり得ないだろう』
    『しかし妙に声が生音っぽいなぁ』

    ああ気になる、と思いつつも、耳ダンボにしながら、うまいラーメンを食べていました。もし本物の親子が後ろにいて、母親が朗読しているとしても、振り返って見るのはいかがなものか…。ズルズル。ああうまい。朗読もうまい。ああ気になる。

    読み聞かせているということは食後なのか、あるいは食べる目的で来たわけではないのか。しかしラーメン屋に子どもをあやしに絵本を持って来るだろうか。ああ、気になるよ。

    そのうちに後ろからの朗読は聞こえなくなりました。客の出入りする音が聞こえました。親子は出て行ったのか。気になりつつも振り向くことなくラーメンを食べる私でした。

    それから、テレビの台数すらチェックすることなく、店を出ました。

    やはり状況的には、母親が子どもに読み聞かせをしていたのでしょう。それを聞いている時は不思議とゆっくりした時間の流れを感じました。もしそれがテレビからの音であれば、なんてことのない時間であったろうなと思います。

    また、ラーメン屋という商売のエリアに妙な生活感が入り込み、気になりつつも、心も妙になごんでしまったわけであります。この何とも言えない感覚、分かってもらえるでしょうか。そしてここが人口約200万の大都市であるという不思議さも。

    耳に意識をとられた分、ラーメンの記憶があいまいになってしまったので、味を確認しに、もう一度食べに行こうと思っております。ひょっとすると、そこに絵本が常備されているのかも知れませんし…。

     

    ■第16回 愉快な札幌大発見:ばーさん

    スナック

    我が家から歩いて1時間くらいかかるであろう遠い場所にありました。たまたま通りかかって発見したものです。
    「 バー・さん」だと思うのですが、「婆さん」のダジャレですね。力の抜けた書体といい、いい味出してます。
    手前のスナック「あ・そ・こ」ってのもいかがなものかと。きっと「おい、今日はあそこへ行こうぜ。あ・そ・こ!」などと言ってもらいたいのでしょうね。


  • v085 目印はクリーニング屋/愉快な札幌15:ティファニー

    ■目印はクリーニング屋

    近所のクリーニング屋
    近所のクリーニング屋の脇を通り過ぎるタクシー

    札幌の路地を歩いていると、やけにクリーニング屋さんと床屋さんが目につきます。床屋さんは昔ながらの小さなところが多く、クリーニング店も、おばちゃんと犬が切り盛りしているような小さい店が目立ちます。

    札幌市はこの4年間で、6000軒の中小・零細業者が倒産したそうです。いわゆる商店街にあった、洋服や靴、文房具、家電、食品などの店が次々に閉店し、地方の新たな問題ともいえる“シャッター通り”が今も拡大しているところです。スーパーや大型店の出現が直接の引き金となっていると思われます。

    そういうなかで、床屋さんとクリーニング屋さんは、大型店の影響を受けにくかった、と考えられます。まだこの先どうなるかは分かりませんが、今のところ、街には数多く残っています。

    10日ほど前、私の妻が献血センターからお呼びがあって出かけました。困っている人の血液の白血球の型と合っていたために(なかなかピッタリってのはないんだそうで)、タクシーの送迎とお菓子支給で呼ばれたのです。

    妻はたっぷり血小板を抜かれ、おいしいジュースとお菓子を手みやげに、タクシーで帰ってきました。タクシーの中では、こんなやり取りがあったのだそうです。

    「その通りをまっすぐ行ってですね…」
    「…あ、そのクリーニング屋の角を左に折れてください」
    「ハイ、クリーニング屋さんね…」
    「…であのクリーニング屋の手前の道を右」
    「あ、あのクリーニング屋さんね…」
    「で、クリーニング屋がありますから」
    「クリーニング屋ね」
    「クリーニング屋さんを通り過ぎた先で降ろしてください」
    「クリーニング屋の先ね」

    そうです、我が家の西側200メートル圏には少なくとも5軒のクリーニング屋さんがあるんです。でもクリーニングに出すような服を持っていないので、うちはあまり貢献できてはいないのです。

     

    ■第15回 愉快な札幌大発見:茶ふぁにー(ティファニー)

    喫茶店

    うちのすぐ近所にある喫茶店です。ここの前を通過すると、若干、力が抜けるような気はします。ほぼ丸2年間、まだ一度も入ったことはありません。イヤだとか、店名が嫌いとか、そんな理由ではないのですが、何となくです。

    今度てぃふぁにーで朝食を食べてみようかと思います。