• v064 ファイターズの力/猫看護

    ■ファイターズの力

    新庄選手のマスク
    札幌ドーム内に展示されている新庄選手のかぶったマスク

    以前も少し書きましたが、北海道日本ハムファイターズは、こちらでは地元の球団として実にスムーズにみんなが応援しています。協賛している会社や団体も半端なものではありませんから、いつも身近で、応援しようという気持に自然となっていきます。

    スポーツニュースではとにかくファイターズ。他球団の情報はほとんどありません。ほとんどというか、まったくやらない日もあります。驚くべきことです。

    ほとんどのイベントでファイターズグッズを発見できます。売り物を買わなくても、我が家には北海道新聞がくれたファイターズのメモ帳が机にあることから、おそらくほとんどの家庭になにがしかのファイターズグッズがあると思われます。

    札幌って、何だかダジャレの国でして、時計大臣(時計台グッズ)、テレビ父さん(テレビ塔グッズ)、なえボックル、ツドーム、ひつじがおかあちゃん(羊ヶ丘グッズ)、けがにいちゃん(毛ガニ)、まりもっこり、じゃがいもっこりなど、本当にそれでいいのかと言いたくなるようなものに囲まれている中で、真面目にファイターズグッズがあるわけです。(ひょっとすると将来、この札幌級のダジャレに染まる可能性は否定できない)

    街には選手が時々出没します。新庄選手がある人気のお菓子(近頃はスイーツと言うらしい)を買いに某ケーキ屋さんに閉店間際に現れたそうですが、売り切れだったというほのぼのした話もあります。私はジンギスカン屋で、ヒルマン監督を横目に食事しましたし、いろんな店で選手のサイン色紙を見ることができます。ファイターズが勝つと割引になる店も多々あります。

    さてそのファイターズが、間違えたら“優勝”しそうな勢いです。パ・リーグは3チームの大混戦で、ファイターズは現在首位西武ライオンズからゲーム差なし、1厘差の2位です。残り2試合、勝っても負けてもとても楽しむことができています。日本ハムファイターズが優勝すれば25年ぶりということなので、優勝したらジンギスカンを食べて祝うことにします。(またかっ)

    先々週、長距離バスに乗った時に、画期的な事件がありました。いつもバスや電車や公共施設などではどういうわけか「日本テレビ系列」にチャンネルが合わされていて、バスもほとんど強制的に日テレを見せられてしまいます。ところがその日は他チャンネルでファイターズの試合が放送されていました。ある乗客がチャンネルを変えて欲しいと言ったところ、その要望が通り、久々に日テレ以外の番組がバスに流れたのです。これは画期的なことです。
    さらに、その試合でファイターズが得点するとあちこちから小さい拍手と小さいガッツポーズがわき起こっていました。みんな応援しているんです。

    こんな感じですよ。ファイターズの力、恐るべし。

    ついでに、今日はプロ野球の高校生ドラフトがあります。苫小牧の選手も注目です。できたら北海道のファイターズでやってほしい…。

     

    ■その後の猫看護報告

    猫のミュウ

    ついに左目も抜糸しましたっ。体重は1キロを越えました。カラーも外し、現在、わが研究所内を自由に歩き回っています。ちゃんと目も見えます。エサもカリカリを食べるようになり、水も場所を確認できるようになったため自分で飲めます。トイレもトイレでします。こうなったらもう飼い主さんに返せる日がすぐにやってくると思われます。

    しかし、まだひとつふたつハードルがありまして、目薬が今4種類に増え、6時間おきに点眼する必要があります。会社勤めの飼い主さんにはまだそれができません。ただ、来週になると可能になるということで来週の土曜日に戻すことになりました。なぜならその人、9月いっぱいで会社を辞めるからです。

    何と会社移転のため、沖縄か東京での勤務が必須条件となってしまったのだそうで。共働きの妻のこともあるし、ネコのこともあるし(5匹)、暑さもあるしで断念したとのことでした。札幌は景気がいいとは言えず、飼い主さんにとって過酷な日が続きます。


  • v063 車を運転することについて/猫看護

    ■車を運転することについて

    高速バス
    またまた高速バスに乗り実家へ

    この連休は実家のある北見へ、今年7回目の帰省をしました。脳やら血やら心臓やら、すっかりガタのきた両親と、ガタのきた家、ガタガタの庭。どんな人にも物にもガタはきますからしょうがないんですが、ただ見ているただけというのもつらい。何か自分にできそうなことはないだろうか、と考えました。

    自分にできそうなことで、これだけはイヤでしなかったことがありました。車の運転です。しかし、この先必ず必要とされるに違いない。人間を運ぶくらいのことはイヤでもやろう、と思いました。大げさではなく、決死の思いで。

    それは遠い昔。小学校で見せられたビデオ(当時は映写機だったかも知れない)が衝撃的で、すっかり運転恐怖症となりました。――ある普通の青年が子どもを轢き殺してしまいます。何てことをしてしまったのだと、その被害家族へ泣きながら謝罪をする青年の姿が映し出されます。「息子を返せっ」と泣きながら叫ぶ母親、見舞いの花もたたき落とされ、罵声を浴び、修羅場と化します。重く物悲しいBGM。うなだれる青年の周囲は暗闇となり、スポットライトの中で精神的にもがき苦しむ様が描かれます。その後の労働はその償いをするための労働であり、賃金はほとんど相手の補償に回されるのでした。事故を起こしたばっかりに重たい十字架を背負い、好きなこともできず一生を棒に振る、という超リアルホラーストーリーであります。

    おかげで車には絶対に乗りたくないと思うのでした。文部省だか交通省だか警視庁だか知りませんが、よくもまああんなザラザラしたものを小さい時分に見せてくれたものだと…。

    しかしながら、北海道は車社会。車がないと不便でしょうがありません。免許はいずれ必要となることが予想されました。それでもあのホラーイメージが頭から離れません。
    高校の時に、排気ガスをまき散らす自動車がなんとなく許せず、私は自動車が電気化するまでは免許はとらないつもりでした。これは車を嫌がる気持ちがあったからなのか、もともとエコ(地球環境保護)の非常に高い意識が心を支配していたからなのかは自分でもわかりません。後者かな。(微笑)

    高校卒業後は東京へ行ったので、もう一生車とは縁がないものだと思ったものです。しかし25歳くらいの時に免許を取るための時間が発生しました。失業して一旦実家へ帰った時のことです。特にやることもなく、家でぼーっとしていました。その時親に「ヒマだったら免許でも取りに行け」と言われ、将来何かの役に立つこともあるだろうと、普通免許を取得したのです。
    北海道での免許取得は本当にラクです。路上へ出ても対向車が来ませんでしたし、信号機は2~3か所でしたし、教習員はとなりのシートで寝息をたてていました。おおらかですね。

    それはともかく、運転をしていると、もしここで子どもが飛び出して来たら絶対に止まれない、などと考えてしまいます。そして一生を棒に振るのでイヤだなと思うのです。もう洗脳ですねこれは。

    ところが若かりし頃のある日、後続車にピッタリ着かれ、追い越しを掛けられた時、カチンという音が鳴ってスイッチが入ったことがわかりました。自分が【一生を棒に振る < 何となく競いたくなる】というとても危険なドライバーに変身してしまうことがわかったのです。

    『やっぱり車には乗ってはいかん』と強く思うのでした。だから私には運転をするということに対して、かなり強力なストッパーがかかっているのです。

    さて、長くなってしまいましたが、そういう絶対に運転をしたくない気持ちを押し殺して、実家の車を借りて、近所をぐるぐる練習をしたのです。10年ぶりくらいの運転です。そういえば昔、東京で運転した時に、あまりの方向音痴でいつまでも目的地に着けなかったっけな、とか、一通を豪快に逆走したっけな、とか、青梅街道をまっすぐ乗ってたのに最後は行き止まりだったっけな、とか、夜にライトをつけ忘れて走ったっけな、とか、あり得ない体験が数々思い出されるのでした。
    練習した近所といえば、それはそれはのどかな場所で、道路に人はほとんどいませんでしたし、車もほとんど通りませんでした。それでも誰かが飛び出してくるような、すごくイヤな感覚はずっとつきまとうのでした。

    車の運転、かえって迷惑だろうか…。

     

    ■その後の猫看護報告

    猫のミュウ
    異様に大きな右目と、まだ縫合の糸を取ることができない左目。
    その顔は「ラピュタ」に出てくるロボット兵のようです。

    みゅうちゃん(メス)を預かったのは確か8月7日。かれこれ5~6週間になります。当初は両目が見えず、眼球の腫れがひどいために両目のまぶたを縫っていました。現在のところ、抜糸できたのは右目だけですが、どうやら両目が見える可能性が高まってきました。左目の抜糸はおそらく近々です。

    抜糸できた右目はまあまあきれいになってきたのですが、まだ眼圧が高いようで、異様に大きく見えます。片目が大きくて、片目が縫合してあって小さく見えるので、天空の城ラピュタの「ロボット兵」みたいになってます。

    食欲は旺盛で、450グラムだった体重は950グラムに膨張。いや成長。胸の奇形と、前足の湾曲があるものの、運動能力も高まり、50センチくらいの高さのところにはジャンプして乗ることができます。しっぽを振って走るので犬みたいです。

    カラーを外しても自分で目を傷つける様子がないので、先週半ばからカラーなしで、我が研究所に放し飼いしています。ケージが寝床とトイレで、ケージのドアは開けっ放し。眠い時やトイレの時は自宅に帰るように自分からケージに入ります。ネコは賢い動物です。


  • v062 航空機貸し切り状態/猫看護

    ■航空機貸し切り状態

    紋別空港
    飛行機から降りるこの人は…

    前回チラッと書いたびっくりしたことについて…。
    クイズに答えてしまったばっかりに行くこととなった紋別。航空券の引き換え“目録”を譲り受けたので、電話で予約を入れました。うっかりしてたのは、目録の最後の方に書かれていた注意事項を見落としていたことでした。

    【他人への譲渡はご遠慮ください】

    イベントでチケットや目録をもらう時に、住所・氏名等を記録するため、譲り受けたことがバレてしまいます。一瞬イヤな予感がしたものの、ここは北海道。非常におおらかであります。そのくらいの禁止事項はあってないようなもの。

    「譲ってもらったんですが、実は、私ガリンコ号のチケットを当ててしまいまして」
    「ええ…」
    「たまたま航空券を知人が当てまして」
    「ええ…」
    「どうせ行かないので、と譲り受けたんです」
    「え、…、いいですよほんなら」

    「ほんなら」とは言わなかったのですが、まあ、実にあっさりOKしてもらいました。びっくりしたのはまだこの後のこと。

    まず飛行機の予約の際に軽いめまいを感じます。【新千歳←→オホーツク紋別】は1日1便ずつしか飛んでいないとのこと。したがって飛行機の飛ぶ時間にすべてを合わせねばなりませんでした。
    だから初日、午前中に紋別に着き、バスで町へ出てメシを食い、タクシーで埠頭へ行き、速攻で船に乗って釣りをして、ホテルまではバスもタクシーもないので泣きながら3キロ歩き、途中で土産を買い、その店の人が親切にも車でホテルに送ってくれてどうにかホテルにチェックイン。外出してうまそうな飲み屋で一杯。翌日二日酔いで午前10時に帰路についたのです。
    これはまあ余談に過ぎません。

    出発の時に話を戻します。千歳で見た「北海道エアシステム」(JALグループ)の飛行機にまた軽いめまいを感じました。
    1日1便しか飛んでない便ですから、いくらなんでも100人程度は乗れる小型ジェット機だろうと思って空港へ行ったのです。新千歳空港の本当の端っこに申し訳程度に搭乗口があり、外にはとても小さいプロペラ機(サーブ340Bという機種らしい)が止まっていました。

    あのYS11より小型、超小型のプロペラ機で、36人程度しか乗れません。そして土曜日だというのに乗客は9名。重量バランスを考慮し、後ろの席から詰めて行くため、機内の前4分の3は空席となります。ほとんど貸し切り状態でした。自分より前にいた客は2人です。それしか見えないんですから人間が。飛行機小さいのに。
    まだびっくりするところじゃないです。

    いつもは飛行機に乗ると、燃料に引火して爆発したり、羽根が折れたり、飛行機同士が衝突することをつい考えてしまいます。念の力で実現してしまう可能性があり、できるだけ何も考えないようにしているのですが、この超小型プロペラ機には恐怖を感じませんでした。
    理由は自分でもよく分かりませんが、多分、上昇角度が緩い、小さいのでポキッと折れにくい、いざという時ジェット機よりは融通がききそう、飛行時間が40分程度と短い、などの理由が考えられます。飛行高度も速度もジェット機の半分程度で、景色もよく見え非常に楽しかったのでした。飛行機で恐怖を感じなかったのは私には珍しいことです。

    オホーツク紋別空港に着いてからバスに乗るのですが、飛行機に乗っていた他の7名は自家用車などを利用したと思われ、バスは我々2名の貸し切りになりました。もう飛行機もバスも貸し切り同然です。

    帰りのバスは4人、飛行機は日曜日だというのに7人。やはり貸し切り気分を味わえるのでした。そういうわけで、この路線お勧めです、みなさん乗ってみてください。
    えー、月や日によって料金が大きく変化するのですが、この9月の場合、通常片道17,600円だそうです。たけぇっ。(貸し切りなら安い? 航空会社は確実に赤字っぽいが…)

    さて、びっくりしたのは上の写真を撮った時のことです。(写真を見てください)
    これは帰りの飛行場の展望台から撮ったものですが、到着したばかりの飛行機から人が降りて来たところです。照れながらタラップを降りる若者がいます。そしてお辞儀をするフライトアテンダントと数名のスタッフ。
    あの客、さぞかし気持ちのいい体験であったろうと思いました。だって乗っていた乗客は1人だったんですから。
    思わず「自家用機かよっ」と叫んでいました。スタッフ付き自家用機ですよね。なんてぜいたく。飛行場がなくならないか心配です。

    機内
    サーブ340Bの機内(左) オホーツクのスペル「OKHOTSK」はツングース語だとか何とか。(左)
    紋別の町ですれ違った人のほとんどはロシア人と思われる外国人ばかりでした。
    観光客とは思えない外国人…。看板などもロシア語が目につきました。

     

    ■その後の猫看護報告

    右目は白濁がとれてきてどんどんきれいになってきました。左目はまだ抜糸できてませんが、腫れが引いてきました。おそらく潰さなくて済みそうです。
    ネコキック、ネコパンチ、ロックオンからネコダッシュ、と、まあネコっぽい行動はできるようになりました。イスの上から床にジャンプして驚かせてもくれます。
    撫でるとキューキュー言って喜びます。とりあえずは良かったなと思うのでした。

    ただ、目を完治させないと気にして引っ掻いて傷をつけてしまうため、目を離す時は「カラー」で保護するのですが、カラーをすると自分でエサを食べたり水を飲むことが難しくなります。
    しかもエサはカリカリを砕いて水で溶いたものをスプーンでやらないと食べてくれなかったり、水も半分強制的に飲ませないと飲まないところがあり、まだ放ったらかしにはできません。

    1か月の予定で預かったネコでしたが、この状態で返すと、また悪化する可能性が高いのでもう2~3週間は様子を見ることになりました。

    飼い主さんも2日おきくらいに来ては病院へ連れて行ったり、必要なものをいろいろ持って来てくれたり、必死になっています。平日、日中仕事で世話が出来ないもどかしさが伝わってきます。

    猫のミュウ
    たらこグッズの群れが現れた。みゅうはとまどっている。
    猫のミュウ
    スライムが現れた。みゅうの攻撃。ピロリっ、0ポイントのダメージ!!
    猫のミュウ
    人間の手が現れた。 ガブ。人間を倒した。経験値を獲得。 右目は新しい点眼薬により劇的に改善。もっと早くこの薬を出せよっと思いました。

     


  • v061 オホーツクで海釣り/猫看護

    ■オホーツクで海釣り

    海釣り用のリール

    7月のイベントで、クイズに答えてしまったばっかりに、オホーツク海沿岸の紋別市から「ペアで行く流氷砕氷船“ガリンコ号”無料乗車券」が大当たりした話を以前書きました。流氷がない時期は、カレイ釣りの観光船として利用されています。私は泳げないので海が嫌いで、しかものんびりとした釣りは苦手。交通費自前となると、行く気も半々というところでした。

    しかし何と言う偶然。この研究所通信を見た札幌の数少ない知人の一人からこんな話がありました。
    「同じイベントで、うちの母が紋別市までのペアの往復航空券を当てたので良かったら使ってください」と。
    これは凄いことです。札幌市民180万人中数人程度の知り合いが、たまたまイベントに居合わせ、クイズで手を挙げ、たまたま指名され、見事に正解し、10人のうち1人に当たる航空券を当てているわけです。ウチにしても同じくたまたま10分の2の確率で釣り船が当たったわけで、これはざっと計算すると795億分の1の偶然であります。(数字はややウソ)

    それならば行かねばなりません。
    さて、何よりもびっくりしたのは航空機のことなのですが、それは次回に持ち越して、今回は釣りのことを書きます。

    紋別の天気は晴れ(前日まで雨でした)、23度前後の涼しい気候。
    現地の受付へ行くとこんなことを言われました。
    「乗り物酔いする方ですか。実は今日は少しうねりがありまして…」
    「酒で鍛えてますから…」
    「こーんな感じで結構凄いですよ。本当に大丈夫ですか」
    「酔い止めの薬って酒(アルコール)じゃないんですか」と私。
    「それはもっとひどいことになりますよ」
    「ゲロっ。薬ください」(300円の液体飲み薬を服用)

    釣り船客は12名くらいいました。外海に出るとうねりで船が上下します。ザッパーンと波しぶきがかかります。でも、すごく心地よく、薬のおかげなのかまったく酔うことはありませんでした。1人気持ち悪いと言ってぐったりしている以外はみな大丈夫そうでした。

    皆さん気合いの入った格好でした。私は初めての海釣りで、おおよそ釣りに来た格好とはかけ離れ、片手にはカメラ、船の手すりにがっちり捕まり素人丸出しです。リールも初めて使います。私の連れも同様海釣りは初めてです。

    船は水深41メートルのところに停泊。いよいよ釣り開始です。釣り糸には40グラムのおもりと、針が2つ付いていました。エサは気持ちわるっぽい長い虫で、塩づけのような形で冷凍されてシャリシャリしていました。
    カレイは海底を這うように生息しているのでしょう、釣り糸を海に入れ、リールを解放しておもりが海底に届くまで待ちます。41メートルは深いです。一番心配だったのは釣り竿を落としたらどうしようということで、とにかく竿は必要以上に力を入れて持っていました。素人ですねー。

    で、釣れたのかどうか全然感覚がわからず、時々重くなるので引き上げてみました。リールを巻き上げます。41メートル分。結構大変。いない。また41メートル落とす。41メートル巻き上げる。いない。41メートル落とす、41メートル巻き上げ…あーもうめんどくさいっ。

    そんな時に、隣で連れが大きめのカレイと小さいカジカをいっぺんに釣り上げました。
    「釣れると楽しいね」と、うきうきしています。
    「そうやね。釣れればね」(どんより)と私。

    見かねた漁師風の添乗員が、私のところに来てマンツーマン指導をしてくれました。その15分後くらいに、急に糸が重たくなりました。
    「あれっ、何かに引っ掛かったのかな、重いっ」
    でもリールは巻き上がるので、何かが釣れたようでした。力の強いカレイかも知れない。ナメタカレイ、というカレイなので、釣り上がったら
    「人をなめたカレイだ」と言おうと思っていたら、やけに立派な太い魚が2匹もぶら下がってきました。添乗員が叫びました。

    「フグだ。2本もついてるぞ。いやー、こりゃ、マフグだな」

    そりゃーもう、結構立派なフグを一度に2匹ですから、UFOキャッチャーでアンパンマンとショクパンマンを同時に取った時より嬉しいと思いました。

    ところがです。あちこちでフグが上がり始めました。
    「フグだ。フグだ」
    「こっちもフグだ」
    「フグの大群が来てる」
    「ありゃー、またフグだ、こりゃひどい」

    そう、「ひどい」状況でした。カレイを釣りに来て違うものが釣れるのは「外道」というらしく、いいことではないらしいのです。しかもフグは免許がなければ調理できないため、個人が持ち帰れるものではないのです。 下手すると毒で死にます。

    結局、約1時間強の釣りでの戦利品はカレイ2匹、小さいカジカ4匹のみでした。他の客も全体としてはフグばかり釣れて、肝心のカレイは少なかったようでした。
    しかしフグが釣れるのはめったにないようで、女性添乗員に聞いてみたところ「私は初めてです。こんなことはありません」と言っていました。

    私としては、あの手応えはなかなか気分が良く、釣りにはこうやってハマっていくんだろうなと思うのでした。

    ガリンコ号で釣り
    流氷を砕いて進むガリンコ号。夏場はカレイ釣りの観光船(左上)
    釣り糸をたれる連れ(右上)
    戦利品(左下)、釣れた2匹のフグ(右下)

     

    ■その後の猫看護報告

    猫のミュウ
    右目は良くなってきています。ボールなどのおもちゃで遊ぶようになりました。

    預かってから1か月経過、また劇的な変化がありました。 部屋の中を走るようになりました。はっきりと目は見えていないようですが、光を感知しているので、動いているものがわかる状態。右目はだんだん澄んできました。

    ただ左目の腫れが引かず、眼圧が高い。場合によっては破裂することもあり、脳もやられる場合もあるとのこと。一応「みゅう」に関してはまだその心配はないとのことですが、場合によっては眼球を萎縮させるとのこと。それは完全に左目をあきらめることを意味します。そうならないように、薬を飲ませ、点眼を続けています。

    紋別へ行った土日は飼い主さんへ戻しました。まだ平日手をかけられないので、もうしばらく預かることになりました。


  • v060 植物園と北海道マラソン/猫看護

    ■植物園と北海道マラソン

    北海道マラソン
    これはこれは千葉真子さん、どちらへ。

    昨日、正式名称“北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園”へ行くことにしました。ウチからそれほど遠くなく、ずっと気になっていたところでした。

    歩いていると、何と、千葉真子さんがマラソンをしているではありませんか。いやー奇遇ですなー。確か去年は中島公園で会いましたね。

    なーんて思いつつ、これは北海道マラソン。全国中継ですがなっ。はいはい、知ってました。引退レースだってことも。はいはい、路上で30分くらい待ってカメラ構えていましたよ。奇遇でも何でもないです。しかしワンチャンスですからね、シャッター切るの。緊張の30分でした。

    で、瞬時に通り過ぎる千葉選手に拍手を送り、最初の目的である植物園へ行きました。しっかし北海道はどの施設の敷地も広いです。東京だって明治神宮や新宿御苑など、結構敷地面積が広いんですが、何が一番違うのかというと、多分、体感的には“人口密度”ではないかと思うのでした。

    植物園の中は、もちろんいろんな植物がもっさりと生えまくっておりますが、芝生の面積も多くて、基本的に芝生は人間のくつろぐスペースであり、寝転ぶところであります。東京で芝生がある場合、高い確率でそこに入ることを躊躇していました。立ち入らないでください、という看板を多く目にしました。いつの間にかその感覚に慣れていたせいもあって、『入っていいんだよね』と思ってしまいます。

    そしてこちらの場合、その芝生は大抵、人間がまばらか誰もいないんです。大通公園はやや例外ですが、それでも芝生で寝転ぶ人の数はそう多くはありません。200万都市『札幌』と言えども、人口密度に関してはスカスカであります。いや、東京が異常なくらい密度が高いのだと思います。札幌に来て最初の頃は、このスッカスカな感じが妙に寂しかったんです。ホントですよ。今も「今日もスカスカだな」なんて思いますが、寂しい感じは薄れてきました。

    植物園は400円の入場料がかかるためか、より人は少なく、芝生は上等で、そして人はその広い芝生に2人とか3人。もしくは誰もいませんでした。400円は安いと感じました。

    ところで、印象に残った植物がありました。エゾトリカブト。これがあっちこっちに咲き乱れております。毒性の強さは某事件でご存知ですね。多分、根も葉も花もとても危険です。

    「北大め、こんなに栽培して何を考えていやがる」

    と思いつつ、無気味なエゾトリカブトの青い花に魅入られ、

    「自分、何を考えていやがる」

    また落語みたいなオチ。

    エゾトリカブトの花
    エゾトリカブトの花

     

    ■その後の猫看護報告

    預かってから3週間経過、劇的な変化がありました。 先週頭に「みゅう」の食が細くなったので、抜糸を兼ねて医者に相談することにし、木曜日に「飼い主」が連れて行って検査しました。
    すると、腸に感染虫と回虫がいることが判明。感染虫は人間にも移ります。きゃーっ!! 2種類の薬で撃退しました。

    目は、腫れの引いた右目の方を抜糸。目を覆っているしゅん幕が生きているため、乾燥は防ぐことができ、うまくいけば失明は免れるということでした。ただ、縫合の際にしゅん幕の上部が切れてしまったようで、下の写真(左)のようにしゅん幕が下にだぶついた形になってしまいました。実に痛々しく、困ったものだと感じました。

    しかしその後、赤い色が抜けてきて、幕がやや広く目を覆うようになってきました。なぜか抜糸していない方の目も似たような色になって、抜糸後2日目にして、何と、動くものを目で追うようになったのです。まったく見えていなかった目がちょっと見えるようになったわけです。

    やった。

    少しでも見えれば、エサやトイレの場所へ移動できるため、会社勤めの人でもどうにか飼うことが可能です。ポイントでかいです。あとは左目の腫れを引かせることができれば、眼球の摘出をしなくて済みそうです。

    今月いっぱい預かる予定ですが、左目の状況次第ではもう少し長くなるかも知れません。

    もうひとつ、あばらのふくらみが少なく胸が平らな感じになっている奇形の問題については、呼吸が正常であるため大きな支障はないとのことで、手術などの必要はなさそうです。
    油断はできませんが、おおむね良い方向に向かっております。ネコ、一生懸命生きてます。

    猫のミュウ
    点眼がイヤでしょうがないようで、がっちり押さえないといけません。
    その際、体を持ち上げるようにする「ネコ懸垂」が見物です。