■北海道の風景―丸瀬布(まるせっぷ)
今年、北海道を直撃した3つの台風の被害は、かなり大きかったのだなと、ニュースにならなかった地域を走って思うのでした。どこへ行っても倒木だらけ、橋壊れまくりです。
この丸瀬布でも道路閉鎖がありました。夏の雨の日に行った時のことです。町から有名な温泉へ向かう11kmほどの幹線道路が封鎖されていました。その時に回り道があることを初めて知ったのです。22kmと倍の距離ですが、なんだか思いもしないところに抜け道があって、どう見ても、この道の方が厳しいのに閉鎖されていなかったのです。
丸瀬布に「広大なイメージ」は無く、山間を抜ける町という印象でした。
その回り道は、細く狭くクネクネとした山道(峠ですらない)で、抜けられるのか分からないような不安になる道路でした。やがて標高の高いてっぺんの方へ出ると、そこには360度見晴らせる広い高原があったのです。(雨でしたが障害物がないのは分かる)
「なんじゃこりゃあ」でした。
それからしばらく経ったこの日は、幹線道路はすでに開通していたのですが、その高原を通って温泉へと向かいました。天気が良く、その高原の写真が撮りたかったのです。
下の写真だと分かりにくいかも知れませんが、一応、南側を180度分、分割して撮った写真を繋げてみたものです。
このあたりの道の行けるところは行ってみて、何かいい写真は撮れないか、ポイントを探しました。しかし、ここにいて感動している割には、カメラを覗くと特別な感じがしないのでした。
「なんだこの伝わらない感じはっ!!」
「なんかすごい雲とか、チンダル現象とか起きれば良いのだがっ!!」。
広いのに、なんか違う。
めちゃめちゃ広い空間なのですが、写真にすると違う。しばらくボーッと眺めていました。するとキリギリスの鳴き声があっちこっちからしていることに気づいたのでした。
鳴き声のするところへ行ってみると…。
おー、キリギリス君、おまえは逃げないのか、と指を近づけたら、鳴きながら指を蹴って噛んできました。(笑)
人間に慣れてないのか、逃げない凶暴なキリギリスでありました。
しかしまぁ、生き物って精巧に良く出来ていますよね。スゴ過ぎますね。
おしまい。(なんだこの終わり方)