買った馬は来ない。消した馬が来る。買えなかった馬は来る。競馬あるあるですね。
欲を出せば挫(くじ)かれる。迷った時点でアウトなのです。
迷わないように自分ルールを決めても来ない、そんな人はもうギャンブルはやめなさいってことです。
私は20年も前にやめました。
もう割り切ってくじ引きにしたらどうか、ということなんですよ。ところが、「欲を出せば外れる法則」を利用すれば、案外勝てるんじゃないかと、他人のお金で実験しているところなんです。
5レースくらい実験をしてみたら、単勝1点勝負は勝つわ、ワイドならほとんど50倍くらいのが当たっているという、なんだか恐ろしい状況が生まれたので、これをシステム化してみようとしているところです。
ということで「逆欲望理論」は、完成の領域にやってまいりました。これはもう「ウマノミクス」という詐欺ですね。皆さんは引っかからないようにお願いします。
そしてついに、前回の課題であった三文芝居用の台本(セリフ=お経)が完成しました。
今号から読んだ方は過去記事をご覧ください。(v376 v378 v379 v382)
バカバカしいだけです。
一応手順を詳細に書きます。
★手順1
枠の8色の色紙(裏白)を用意して、色のついている方に馬の名前を書く。白い面が表に出るように折って箱(袋)に入れる。(どれが何か全然わからない、という雰囲気を出すため、見た目を全部同じにしましょう)
はい、ここまでできましたか? (笑)
★手順2
次に箱(袋)から半分を引きます。(奇数頭数の場合は1枚多く引きましょう)
この時に、欲望があふれ出なければなりません。
簡単です。台本を読むだけ。引く時のセリフはこれです。
「今から絶対勝つ馬を引きます」(棒読み)
このシンプルさは大事です。
しかも棒読みしてください。前回のマニ車を思い出してください。マニ車なんてただぐるぐる回すだけでしたね。形骸化はこうでなければいけません。感情は入れずとも、入っていることになっている、のです。
複数人数で儀式を行っても、これならそんなに恥ずかしくもないですよね。
「いいか、見てろよ、必ず引き当ててやるからな。俺に任せておけ」
とか、恥ずかしくて言いにくいですから。
「今から絶対勝つ馬を引きます」(棒読み)
いいですね。「絶対」に欲望が出ていますしね。棒読みだから、能劇のような奥深さが出てきますね。もはや伝統芸能技法なのかもしれません。
9枚引くなら、9回言ってください。
★手順3
次に、そうやって欲にまみれて引いた馬は来ませんから捨てるのですが、ここが重要ポイントになります。勝ち馬の名前が手中にあると信じているのに、わざわざそれを捨てるわけですから、理不尽さがにじみ出ていなければなりません。ということで、捨てながらこう言います。
「なんで捨てちゃうかな」(棒読み)
いいですね、シンプルですね。
なぜ自分は勝ち馬を捨ててるんだろ、という気持ちが、これを棒読みするだけで発生します。まさにマニ車的に形骸化されたセリフであります。言うだけです。
★手順4
さて、箱(袋)に半分残っています。それを1枚ずつ引いていくのですが、前の実験ではここが一番「小芝居」してて難しかったところです。
「ああ、なぜわざわざ当たってる紙を捨ててしまったのだろう。ここに残っているのはハズレばっかりだよ。ガッカリだよ」と言いながら、わざとらしさや白々しさに恥ずかしくなりながら引いていたのでした。これを形骸化します。その時のセリフはこれです。
「意味ないじゃん」(棒読み)
決まりましたね。ちょっとキムタク入ってますが。
意味がない、というところに何の希望もない、「もうどうでもいいよ」的な雰囲気が漂います。虚無感ですね。どんな読み方にも耐えうるセリフです。
ただ、これG1レースなら大抵18頭立てなので、最大9枚ありますので、こうなります。
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く
「意味ないじゃん」を復唱することにより、お経的な形骸化が達成されていますね。
これなら簡単。悔しがったり、悪態をついたり、演技するのはしんどいですから、これさえ決めておけば、システマチックに事を進められるわけなのです。まさにマニ車的形骸化セリフです。
黙々と引けばOKです。
半笑いでも、真剣にでも、ズルしても、真面目にも(スピッツかっ)、「意味ないじゃん」によって、希望など入り込む余地はなく、すっかり欲望が消えちまっています。
無欲こそ勝利への道。形骸化こそ究極のシステム化。
儀式はここまでです。
次に買い目のシステム化を行います。
いよいよ買い目を決めていきますよ。
この買い目を決める時には、必ず「欲」が出てきてしまうので、「欲」を完全封印します。
欲のあるところに真の勝利はありません。
新聞の予想とか倍率とか見てはいけません。
では一番「欲望」が抑制されている部分はどこでしょうか。
手順4で、最も欲が消えているポイントはどこでしょう。
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(1)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(2)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(3)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(4)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(5)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(6)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(7)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(8)(最後から2番目)
「意味ないじゃん」 と言って、サクっと引く(9)(最後)
(1)なのか(5)なのか(最後)なのか。
世の中、同じことを繰り返すほど、形骸化は進みます。繰り返すほど無心になる。意味すらわかってない。ただいるだけ。欲などない。
てことは最後のやつだ。
残り物に福って言うし。
間違いない。
それだ。
最後のやつが軸だということが今わかりました。
そして今までの実験結果から、買い目はこうなります。
予算は500円。(なぜだの声が聞こえる)
◎最後のやつから、ワイドで、下から5点まで流し。100円が5点。
やはり人間の能力には限界があり、毎回ピッタリ当てることは不可能に近いのです。そこで、実験からもわかるように、3着までには必ず2頭は入ってきたので、1・2着ではなく、3着を視野に入れた「ワイド」がよろしいということになります。欲張らずワイドで。
ワイドなら普通に予想すれば当たるんじゃないの。
って言わないの。
と言うことで、次の日曜日はダービーですって。
土曜日に、その買い目を公開し、ドキドキの検証を行います。