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  • v248 つるつる温泉事件簿

    ■つるつる温泉事件簿

    フクジュソウ
    フクジュソウ(2年前に撮影)

    また塩別つるつる温泉へ行ってきました。車で約1時間、だいたい3か月に2回のペースで行ってます。この温泉へ行けば、何かしら面白いことが目の前で展開されていました。露天では鹿が出たりエゾリスが出たり、洗い場でお兄さんの背中で絵画鑑賞したり、更衣室に子どものウンチが転がっていたり、カギを落としてオロオロしているおじさんのカギを探すのを手伝ったり・・・。

    ここのところ、温泉ではこれといった出来事がありませんでした。

    もう去年の話になりますが、ちょっとしたことはありました。露天風呂には私を含めて4人ほど入っていました。そこに、親子が入ってきたのです。若いお父さんの優しそうな声と子どもの声がしました。

    さぞかし子煩悩って感じのお父さんかなぁ、なんて思っていると、まず、子どもがはしゃぎながら入ってきました。その後に、「こらこら騒ぐんじゃないよ」と言いつつ、歩く美術館のようなお兄さんが入ってきました。前も後ろも手も足も首も、キャンバスを無駄なく使った、全身カラフルな美しいお兄さんでした。

    ゆったりのんびりしていたお客さんは、ギョギョギョっと緊張を取り戻し、しばらく凍てついていました。という、温泉で凍りついたお話。

    まあそんな小さな話があって、この4月12日、ようやく、ちょっとした事件に出くわしました。

    露天風呂に、推定年齢65歳と50歳の関係性の分からない2人が入っていました。若い方が相づちを打つパターンが続きます。
    「いやぁ、最高だな」
    「いいっすねー」
    「つるつるするなー」
    「つるつるしますねー」
    「なんでだろなー」
    「なんでですかねー」
    風がやや強めでしたが、晴れて、心地よい春の空気。
    「ほんっとに最高だなぁ」
    「いいっすねー」
    「ここはホントの露天だからいいなぁ」
    「いいっすねー」
    そこに見慣れない大きめの鳥が飛んできました。羽の一部に青いラインが入った鳥で、頭が茶色、尻尾が黒、白とグレーも散りばめられた奇麗な鳥でした。
    「おおお、バードウォッチングまでできるなんて、やっぱりいいなぁ」
    「そうですねー」
    「あれは何だろ、カケスか、カケスだな」
    「何ですかね」
    「・・・カケスじゃないか、何だろな」
    「・・・」
    「・・・メガネ忘れちゃって、よく見えないな」
    「メガネがないと見えにくいですよね」
    「メガネ置いてきちゃったから・・・」
    と言って、若干腰を浮かせて、メガネを取りに行こうかな、という仕草をしました。そして、まあいいか、的な感じでまた湯船に浸かりました。
    その鳥は至近距離にもいて、それが羽ばたいた時に、オヤジさんは「ここにもいたか」と驚いた様子でした。
    (ここの露天はいろいろ動物が出現するので私は古いメガネをかけて入っています。温泉はメガネのコーティングをボロボロにするらしく、今使っているメガネで入ると、数回で度が合わなくなってくるそうです。メガネ屋店員談)

    その鳥はあとで調べてみるとミヤマカケスというカケスでした。オヤジさんの知識は合っていました。特徴のある鳥だったので分かったのですね。

    「あ、あそこにさフクジュソウの黄色い花が咲いてるな」
    「え、どこですか。あ、ホントですね」

    私はそれを聞いて思わず探してしまったのですが、見つけられないのです。
    『いったいどこに黄色い花がひとつだけ咲いているというのだっ』
    どこを見てもありません。それで、おかしいなぁと、ずっと探していました。

    「ああやっぱ、最高だなここは」
    「そうですねー。あ、ここは以前と比べてどうですか」
    「ん、変わってないよ。昔とおんなじ」
    オヤジさんは久々にここを訪れ、ここを知らない若い人を連れて一緒に来たようです。

    そして、2人が露天風呂から上がっていった後、しばらくして、20~30メートル先の山の裾野にフクジュソウらしい花を、私はやっと見つけることができました。枯れ葉が太陽光を反射して、その枯れ葉のスキマから花が見えていました。色が馴染んで見えにくかったのでした。

    そして思ったのです。
    「あのオヤジ、メガネなくても良く見えてんじゃん!!」

    メガネなくてもよく見えていた事件でした。


  • v227 つるつる温泉に出現したもの

    ■つるつる温泉に出現したもの

    エゾリス
    エゾリス(ちょうど2年前の2010年9月17日、網走で出くわしたヤツ)

    また「塩別つるつる温泉」に行ってきました。(9/17)

    つるつる温泉は、肌がつるつるになるのはもちろんのこと、受験生はつるつるすべるし、脳みそのシワもなくなりつるつるになるかも知れません。
    どこもかしこもつるつるになるかも知れないのです。敬老の日はさぞかしつるつるの高齢者でいっぱいかと思いきや、早朝に行ったのでほとんど人がいませんでした。

    その日、誰もいないのをいいことに、露天風呂の縁石につかまって、うつ伏せになって身体を伸ばし、プカプカ浮いていました。
    『いいストレッチかも』
    なんて思いながら大人げなく浮いていました。それから身体をくるりと回転させて空を見ていたら、山側で何かが動きました。距離にして5メートルくらいのところです。

    キタキツネだろうと思いました。大きさ的に絶対キツネだと思いました。

    それは、木や草の陰になりなかなか全身を見せません。キツネ早く出てこーい、などと思っていましたら、出てきました。黒っぽいふわふわのエゾリスがっ。
    結構でかいエゾリスが至近距離にいますっ!! 何だかテンション上がります。
    『ウォーッホッホーイッ』(心の声)

    それまですっかりキツネだと思い込んでいましたので、キタキツネとエゾリスをいっぺんに見たような気がして、大変お得な気持ちになったのでした。

    エゾリスは目の前に裸の人間がいるのに逃げることなく、何か木の実のようなものを拾って、手を口のところに当てて、モグモグさせていました。尻尾が大きくてフサフサ。
    『こりゃいいものを拝めたわい』(じじいかっ)
    『ついでにクマも出てきたりして』
    なんて思っていると、大きな咳をしながら誰かが入ってきました。

    「ウォーッホッホッ、カーッ、クワーッ、ゴホゴホゴホ」

    まさにクマのようにガッシリした中年男性でした。
    その咳払いに驚いたエゾリスは大きな木の陰に隠れてしまいました。そして露天風呂に入ってきたその人の背中には、一面に美しい絵が描かれていたのでした。
    オーマイガッデム!!(意味不明)

    絵画鑑賞までできるとはなんてラッキーなのでしょう。(汗)

    こんな愉快で楽しい塩別つるつる温泉に、ヒマがあったらぜひおいでください。シカやリスは滅多に見られない上、脳みそがつるつるになってもそれは自己責任ということで。


  • v222 温泉「ゆぅゆ」/みきハウス

    ■温泉「ゆぅゆ」

    「ゆぅゆ」への道
    「ゆぅゆ」への道

    日曜日の朝、温泉に入ってきました。というつまらない話です。

    置戸町勝山(おけとちょうかつやま)という秘境にある温泉へ行ってきました。秘境っぽくない名前の「ゆぅゆ」という温泉施設です。(「ぅ」は小文字)
    ひょっとしたら秘境じゃないかも知れません。

    あの「うまいもーん」のゆうゆとは関係ないです。多分。
    (古過ぎて何言ってるか分からない人続出?)←続出するほど読まれてはいない。

    「ゆぅゆ」は我が家のある北見から、前回の「つるつる温泉」とほぼ同じ、西へ約40kmの地点にあります。

    地図
    青丸が北見市(我が家)、緑がつるつる温泉、赤が「ゆぅゆ」。

    最初の写真のように、道々、とにかくほとんど何にもありません。

    ゆうゆへの道

    ゆうゆへの道

    何もないです。雪がちょっと残ってます。

    そして朝10時の開店時間を少し過ぎた頃、「ゆうゆ」に到着しました。

    ゆうゆ
    ロゴも看板もちゃんとしています。

    施設の前にはなかなかカッコいいこんな鳥のオブジェが。

    ゆうゆ
    しいたけ嫌いな私にアピールするのぼり

    タカかワシかトンビかハトか、何だろう、と近づくと説明書きがありました。
    シロハヤブサだそうです。(その名前パッと出ないよね)
    ニューヨークから移住した彫刻家ロベルト・ベッシンさんの作品で、平成だから、まあ割と最近ですね。

    説明
    入浴施設にニューヨークの彫刻家がかかわった

    道々、何もない中に、唯一「ある」的なこのシロハヤブサの像の陰に、やはり何もない自動販売機がありました。

    何もない自販機
    やっぱり何もないです。

    何もないようでいて、この日、落語会があることが分かりました。

    玄関に落語のお知らせ

    いよいよ「ゆぅゆ」に足を踏み入れます。
    野菜や珍味やハンバーグのおみやげの陳列にキョロキョロしながら入って行くと、靴を脱ぐべきところに気づかず、土足で上がり注意されてしまいました。秘境だというのにキョロキョロしてる田舎者になってしまいますた。

    券売機で入浴券を買い、450円という料金に喜び、受け付けでニコニコと挨拶をして、着替え室へと進みました。
    ロッカーが縦型の細いヤツで、こればかりは何とも風情のない感じでした。置き引きとか心配なのでしょう。今風と言えば今風、安心は安心ですが。

    風呂場などはホームページがありますので、参考までにホイッと。
    http://www1.ocn.ne.jp/~youyu/

    ホームページではよく分からないのですが、ここは源泉100%掛け流しっぽいです。
    (それとっても大事なことだと思うのに載ってない)

    この日、朝ということもあってか、大浴場にお客さんは2~3人でした。広い空間をほぼ独占です。ゆったりのんびりしてから、サウナに行くとそこには2人いました。すくにゾロ、ゾロ、と人が入ってきて、室内は5人になりました。

    「めちゃすいてるのに、なんでこの狭い空間にギュウギュウなんだ」

    と、理不尽さを感じて露天の浴槽へ向かいました。そこには3人ほど散在していました。それからほどなく、何人も入ってきて、露天スペースに8人くらいになりました。子ガモがゾロゾロついてくるイメージ。

    「わしゃ親ガモかっ!! 室内に人いないやんっ!!」

    研究所通信の神様が「ネタ」を降臨させているとしか思えませんね。
    ただ、その子ガモはおじいさんなので「子」じゃないですけどね。

    露天スペースは、一方の壁を取り払ってあり、広い庭に面していました。そのままトコトコ歩いて外へ行こうと思えば行けるのですが、そんなことをしたらストリーキングみたいになりそうでした。
    多分、女湯から見えるし。
    風景は、山です。とにかく山。気持ちの良い景色です。空気も最高でした。

    ということで、こんな秘境でよく頑張っている「ゆぅゆ」を後にしたのでした。

    あ、その前に、ここのおみやげに面白いものがありました。「地元のヤーコンで作った発泡酒」です。399円と高いものの、かなり気になる一品なのでした。
    調べたら、置戸町のホームページで販売しているようです。
    こちら(クリックで別窓が開きます)のヤーコンドラフト(発泡酒)の文字をクリックすると何か書いてあります。えーと、どひゃーっ、480円もします。裕福な方、ぜひおねげーしますだ。飲んでみて下さい。きっと身体にも良いと思います。(適当)
    というのも、「置戸」は、私の出生地なので、応援の意味でちょっと宣伝してみました。

    さて、帰り道。何もない道路の道端に、緑色の点々が見えていました。
    つまり、何もない、というのは間違いでした。
    車を止めてその緑色のものを採取させてもらいました。

     

    ふきのとう
    ふきのとう
    ふきのとう
    あちこちにあるので採取。

    この日の夜は、しっかり「ふきのとうの天ぷら」をたらふく食べたのでした。
    ほんの少し摘み取ったふきのとうで、たらふくですよ。自然は素晴らしい。

     

    ■北見発見伝:みきハウス

    ベビー服・子供服メーカーのミキハウスがアパート経営?

    みきハウス

    やるな、北見。


  • v221 つるつる温泉に鹿出現/北見発見伝:セブンイレブン

    ■つるつる温泉に鹿出現

    シカ
    知床のシカ(2010年の秋撮影)

    我が家から西に40kmのところに「塩別つるつる温泉」という、お肌がつるつるになる温泉があります。

    この温泉には年間5~6回ほど足を運びます。入浴料500円とお手頃で、自然たっぷりで、リフレッシュするには最高の場です。しかも土日の早朝に行くことが多いので、朝の空気と客の少なさで、実にまあ快適であります。

    広い風呂場と露天風呂、ほぼ貸し切り状態ですから。

    しかし、「この温泉は素晴らしい」と語ってしまうと、客が増えて快適さが失われるので、ここは心を鬼にして、あえて悪意を持って書き綴ってみたいと思います。

    まず受験生はつるつるすべるので来ない方が良いです。高齢者もつるつるすべってケガをするので来ない方が良いです。(キリッ)

    今年の1月に行った時は、外に出るドアが凍って壊れて露天風呂に入れませんでしたし、髪を洗って露天に入るとアタマ凍りますし、休憩所に置いてある「100円の足もみ機」は時々ギュッと圧迫されたところで100円が切れるので、足が引き抜けずに困ったり、とにかく来なくて良いですよ。超僻地ですしね。
    夏はオニヤンマだかギンヤンマだかでかいトンボが飛んでいたり、クワガタが露天の岩に止まっていたり。(おっと、これでは人が来てしまうぞ)

    さて、3月11日(日)の早朝にその塩別つるつる温泉へ行って来ました。露天風呂は山の急斜面の麓にあります。その露天風呂の脇で、メスの小さめの鹿がちょこんと座っていました。ほんの3~4mのところにです。
    さすがに温泉内で写真が撮れなかったので説明イラストです。

    鹿の説明イラスト

    まあシカし、鹿がいたのは初めてでした。それも目の前で陽の光を浴びてまったりしています。時々後ろ足で耳をかいたり、顔のそばにある木の皮を食べてモグモグしていたり、猫のように丸まって眠ったり。
    (いかんいかん、こんな風に書いたら人が来てしまう)

    そこへ二人の高齢者が入ってきました。
    「鹿ってのは脂肪が少ないのによく生きてるもんだな」
    「こんな寒いところでね」
    「クマとかトドとか、みんなすごい脂肪でさ、鹿だけだよ」

    「鹿肉ってのは、脂肪が少な過ぎるから豚肉とか牛肉を混ぜてさ」
    「ほー」
    「ソーセージとか作るんだよ」
    「臭みも消すんだな」
    「そうそう」
    「だから100%鹿肉のソーセージってないはずだよ」
    「ほー」

    「友達の鉄砲撃ちからよく肉をもらうんだけどさ」
    「鹿肉をソーセージにしようと思って、食肉工場に持って行ったら断られたよ」
    (私の心の声「えっ、工場に肉持っていったら作ってくれるのかよっ」)
    「なんでまた」
    「野生だから(寄生虫とか)何がいるかわからんってんでさ」
    「絶対やってくれないんだ、自分たちがアレになるから」

    「しかし、鹿を撃ち殺す時って、生きてるうちに血抜きのために動脈切ってさ」
    「ほー」
    「血だらけになってから頭撃つんだ」
    「いやいやいや」
    「アレ見たら肉食えなくなるわ」
    「食えなくなるね」
    (心の声「食えなくなるわ」)

    と、会話文、ちょっと長くなりましたが、可愛い鹿の前でする話かっ!!
    つるつる温泉に行くとこういう話が耳に入って肉が食えなくなりますよ。だから来なくていいですよ。
    さらにこんなグロい話も。

    「トドは逆に一撃で仕留めないとダメなんだ」
    「なんでさ」
    「アミで暴れて潜って行っちゃって、引き上げられなくなるのさ」
    「でかいから力あるんだな」
    「頭を一発でやらんとな」

    シカちゃんはのどかな顔をしていました。しかし、野生の鹿が、人間の近くに来て1時間ほどもまったりと寝てるって、どうなの、と思いました。それで、この風景を眺めながらふと思ったのです。

    鹿から見ると、変なつるつるした弱そうなヤツがいるだけであって、多分怖くないのでしょう。
    外で、特に森林で、人が裸でいるって変ですよね。妙な違和感があります。

    しかしまあ、この鹿にしても、何の敵意も無さげで、一緒に平和に暮らせたら良いのに、“とりあえず鹿肉の話”になる人間って、怖いな、と思ったのでした。

    塩別つるつる温泉にお越しの際はお気をつけ下さい。

     

    ■北見発見伝:セブンイレブン

    札幌では、7と11の語呂合わせで「南7条西11丁目」にセブンイレブンがありましたが、北見ではこんな看板があります。

    セブンイレブンへの看板

    お、セブンイレブンがあるのか、え、711mって遠過ぎるだろ。
    なんだこの半端な数字は……あっ!!