• カテゴリー別アーカイブ
  • 研究所通信v494 恐怖の雪庇

    この写真は、3月1日の朝に撮影したもので、このあと下から氷を砕く「棒」で突ついて落としました。写真左奥にもあり、全部落としました。この雪庇(せっぴ)ですが、厚さは10cmくらいで、それでもこいつを頭から受けてしまうと多分怪我します。氷がかなり重たく鋭利ですので、打ち所によっては死んでしまうかも知れません。突ついて落とすのはそれなりに恐ろしいです。

    屋根に登って金属の氷割り棒で突つけば、下から突くよりは力は少しで済みますが、時々屋根に傷や穴を開けることもあります。何より滑って落ちたら怪我します。高いところは苦手ですし、屋根には登らないようにしています。

    この冬は、確か、12月に湿った重たい雪がどっさり降って(40〜50cmくらいかな)、雪かきではヘトヘトになりました。さらに屋根の雪下ろしも大変でしたが(下からかき降ろす道具がある)、その時は綺麗に落としたのです。その後2か月ほど氷点下20度前後の日が続き、時々降った雪がうっすら積もり、それが時々昼間に解けては氷を形成していきました。(氷点下でも太陽が当たると雪が溶けるのです。太陽すげぇ)

    そしてある日、玄関上の、2階の屋根(地上5mほど)にかなり分厚い氷ができていて、30cmほどせり出していました。落ちてきたら大変なことになるわけですが、その真下は人や猫が通れる状態ではなく、おそらく落ちて終わりになると思われました。ただ、落下するコースに電気の引き込み線があり、落ちた時にカスってしまうとブチ切れる可能性がありました。電力会社に相談したところゴンドラ車できてくれて、せり出した氷をカチカチと砕いてくれました。

    しかし、電気線にかからない程度に砕いただけで、大半を残して帰ったのです。氷の厚さは20cmくらいあります。すごいですよ。頭に落ちたら死ぬと思います。ただずっと厳しい寒さが続いていましたので、氷は屋根にガッチリ張り付いていて、高さもあり、とても落とせるようなものではありませんでした。放っておくしかありませんでした。

    2月18日の朝、母屋から20mくらい離れたプレハブ小屋のわが事務所にいた時に、「ドッカーン」という音と振動がありました。なんだろなと思っていたら、「たいへーん」という声がしました。

    氷が2階の屋根から落ちました。(赤い囲み)それも見えていなかった奥の方まで10m弱の範囲に。

    そこには立てかけていた脚立がぐにゃぐにゃになって、物置に穴を開けていました。

    物置の壁がベッコリ歪んで、穴が開いていました。手前の氷は動かせない重さで、ツルハシでドカドカ割って氷を撤去。2mくらいの範囲の氷を撤去したところで体力の限界を迎えました。この奥の方には出窓があって、毎年、屋根からの落雪が当たるといけない(多分ぶっ壊れる)ので、長い板に波版をつけた「オリジナル・落雪をいなす装置」を設置していたのですが、重たいのと劣化が激しかったので、今年は新作に変えたのです。

    その「新・落雪をいなす装置」は長い物干し棒2本に、安い塩ビの管を上下に支柱止め金具で固定して、台形にし、上の塩ビ管に柔軟性のあるプラ板を強力ガムテープ でくっけただけのものです。ありものを利用したので、1500円程度でできました。(前作品は1万円近くかかったのです)

    それが見事に両方の金属の物干し棒がへし曲げられてしまいました。そりゃそうですよね、これは「落雪」をいなすのであって「落氷」ではないですから。それでもまだ機能はしています。(この手のものは業者に頼んでもやってくれませんし、そんな商品はありません)

    物置が部分的に破壊されただけではありませんでした。

    「ああああ、屋根の一部が破壊されている」
    落下した端の方に1階の屋根があり、その縁が破壊されてしまいました。ここにも分厚い氷がガチガチに張り付いていて、棒でドカドカ突ついてもびくともしませんでした。その氷に、落ちてきた氷が当たり、バウンドして物置を破壊したのです。この屋根、ガムテープ でなんとかならんかな、なんて思ってそのままです。ただ、電気線は切れませんでしたし、人も死にませんでしたし、野良猫も死にませんでした。良かったと思います。

    それから10日ほど経った2月28日まで、相変わらず朝は氷点下20度近い日が続き、昼間はそこそこ0度近くまで上がってポカポカ陽気の日がありました。つまりまたまた分厚い氷が育っていたのです。それはプレハブ小屋のすぐ近くの母屋の緩やかな屋根でした。15cmくらいの厚さの氷が、屋根から10cmほどせり出していました。奥行きは1mくらい。まだしばらくは落ちないだろうし、無理に落とそうとしても屋根を傷つけるからと放置しました。

    2月28日の夜、いつもより暖かい夜。19時くらいに母屋へトイレに行こうとプレハブ小屋から出ると、母屋の氷が50cmくらいせり出していて、今にも落ちそうになっていました。怖いし夜だし、その下をささっと通って玄関(裏口)を開けて母屋に入り、帰りもビビりながらささっと氷の下を通過して戻りました。

    それから10分。「ドドーーーン」という音と振動がしました。
    落氷により玄関までの通路が塞がれました。氷が重たくて、除去作業は朝からやることにして、氷の塊の上を歩きながら表玄関から帰りました。

    これでも朝にある程度氷を除去した後の写真です。ガラスが割れてなくて良かった。

    表玄関に向かう通路に落ちたこの氷は長さ1m以上あり、これを除去するためにツルハシでドカドカやりました。全部で4〜5m分の氷が落下して通路を塞いでいました。

    この「氷が育って危険な状態」になったのは、ここに来た2010年以来初めてです。太陽の持つ計り知れないパワーにより、氷点下なのに雪が解けて軒先で凍り、半端ない寒さでガチガチに固まり、さらに解けた水が重なって分厚くなりガチガチに凍って屋根に張り付き、マックスを迎えたところで殺人的な落下をするわけです。

    なんかすごい。氷は怖い。


  • v297 バナナで釘を打つ

    ■バナナで釘を打つ

    そんなバナナ
    このスタンプは販売中(宣伝) クリックでショップへ

    何だかとても寒いこの頃。ちょいちょい氷点下20度くらいになります。昔、マイナス40度でも凍らないエンジンオイルのCMがありました。記憶している人も多いかと思うのですが、寒さの視覚化で「バナナで釘を打つ」シーンがありました。
    この度、ある読者からの要望で、それをやってみることにしました。

    天気予報で、氷点下22度の予報が出た夜に、バナナを木の枝に引っ掛けて寝ました。朝になるとバナナはドス黒い感じになっていました。一見熟れて柔らかくなったようにすら見えました。
    YouTubeで当時のCMを見たところ、バナナは奇麗な黄色でした。CMのバナナは、おそらく急速冷凍で一気に40度まで下げたのでしょう。(知らんけど)

    バナナ
    昔の映像と違ってかなり変色していた。

    それは1月11日、当日の気温が下の表です。氷点下20度には達していませんが、この表は1時間置きのピッタリの時刻の気温で、実際には5時8分に氷点下20度ぴったりまで下がっていました。

    気温氷点下20度
    この表の下の方にスクロールすると「最低気温」が出ていました。

    バナナの色はドス黒くなっているけれど、カッチカチでしたので、実行することにしました。板と釘と温度計を準備。午前8時。

    バナナで釘を打つ
    板の下は氷のかたまりです。屋根から落とした氷。

    温度計をアップにします。

    バナナで釘を打つ
    何ともう氷点下10度程度まで上がっていました

    氷点下10度はですね、そこそこ寒いんですよ。マジ寒いですから。しかし5分程度であれば根性でコートも手袋も不要です。

    バナナで釘を打つ
    板の下は氷。さあ打ちますよ

    バナナで釘を、打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし!
    カンカンカンと音が響きます。
    近所迷惑だが、打つべし! 打つべし!
    おお、意外にバナナは折れないし砕けない。
    打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし! 打つべし!
    カンカンカン
    近所の高齢者が何だ何だと耳を澄ませているかもっ。
    それでも打つべし! 打つべし!
    カンカンカン
    結構音が気になります。
    それでも打つべし! 打つべし!
    カンカンカン
    あれれれ、うーん、釘が一定以上刺さらないぞ。

    力を込めて打つべし! 打つべし! 打つべし!
    むむむむ、おかしいな・・・
    打つべし! 打つべし! 打つべし!
    あああああ、バナナが、バナナがっ!

    バナナで釘を打つ
    釘に負けてきた

    バナナが大変なことになってきました。
    「可哀想すぎる」と思いました。
    まず寒さで色が変色しましたね。人で言えば皮膚の下で何かとんでもないことが起きたわけです。そして、さらに釘に対して力一杯叩かれて、表面がボロボロに。
    「残虐すぎる」と思いました。
    これ以上はバナナが破壊されていくばかりだと思いましたので、ここで中断しました。

    こういう結果です。

    バナナで釘を打つ
    貫通はしませんでした。

    このあと、実際のハンマーで打ってみたらすぐに板を貫通しました。


    氷点下20度で凍らせたバナナを氷点下10度の環境で釘を打つと、ある程度は打てるが、最後までしっかり打つことが出来ずに砕ける、という結果になりました。

    何という中途半端。まさに

    そんなバナナ
    ゆるしてちょんまげ

    なお、使用したバナナは、スタッフ全員で美味しくいただきました。(笑)
    熟れ熟れのグジャブジョでした。

    ということで今年もよろしくお願いします。
    おしまい。


  • v182 ネタがない/愉快な札幌111-しんきん感

    ■ネタがない

    ガックリ

    ついにネタ切れです。写真も100号の時の使い回し。

    しょうがないので雪の話をしましょう。

    今年は暖かかったり急に寒くなったり、1月なのに雨が降ったり、大雪になったりして、異常気象かっ、なんて思ったら、何と今年の積雪量は今のところ「ガッカリな例年並み」となっています。

    雪まつりの準備も始まっていて、こんな感じになっています。

    雪まつりの準備

    雪像を造る手前の雪のブロックがあります。雪まつりは2月5日から11日なので、もうすぐですね。

    ネタがつまらんですね。

    ここ1、2年こんな話が出てきました。
    冬場に積もった雪を格納して、夏の暑い日に冷房として利用する。洞爺湖サミットの時に、実験的にやっていたようでした。

    超巨大な雪の格納庫を街の中にいくつか作れば、除雪の際の雪の捨て場になり、郊外まで運ぶ回数も減らせるし、夏に利用出来るしで、一石二鳥三鳥の効果が期待できそうです。最初はお金もかかるでしょうが、長いスパンで考えたら安上がりかも知れません。そしたらちょっとは税金安くなるかも。

    また、地中熱を利用して、冬場の暖房にしたり、ロードヒーティングにする技術がすでにできています。私はこういう自然のエネルギーを利用した技術の話を聞くと嬉しくなります。北海道がこういうことでもっと進展してくれたらいいなと思っています。

    除雪の風景

    除雪は本当に素早く、テキパキと行われています。

     

    ■第111回 愉快な札幌大発見:しんきん感

    しんきん感

    円山っていいところなんですがねぇ。だじゃれで親近感をアップさせようとする天下の信用金庫でした。


  • v176 雪景色/愉快な札幌105-雪のベスト

    ■雪景色

    冬の風景
    本格的な冬がやってきました

    写真を見ての通り、雪が降りまくっています。こうしてみると白い景色ってのは、美しいというか、ロマンチックな感じがするものであると、思うでしょう。

    ところがですね、この左側はこうなってまして。

    札幌

    ちっともロマンチックじゃありませんよ。
    ロードヒーティングで雪が融けてますし。
    ネタがないのでこんなもんで勘弁してください。(笑)
    まあ、今札幌はこんな景色になっております、ということで。

    そういえば大通公園では、恒例の「ミュンヘン・クリスマス市」(12/24まで)が開催されています。そしてその周辺(結構広範囲)ではホワイトイルミネーションといって、光のオブジェが美しく輝いているところです。

    ミュンヘン・クリスマス市

    これはミュンヘン・クリスマス市の方です。
    クリスチャンも仏教徒も関係なしに楽しめます。寒いですが。

     

    ■第105回 愉快な札幌大発見:雪のベスト

    雪のベスト

    近所の銅像が雪のベストを羽織っていました。
    暖かいんだか、寒いんだかっ。

    これだけじゃ何ですから、銅像の人を紹介します。
    梁田 貞(やなだ ただし)という札幌出身の人です。何の人かここで分かった人には米1年分を差し上げたいくらいすごいです。
    ここは「資生館小学校」の前というか脇というか近くです。

    この小学校に関する話は複雑で面倒なので割愛します。
    で、この人は昔 「創成小学校」と言われていた頃のこの小学校を卒業しています。だからここに像があるんですね。

    北大と早稲田に在籍していたこともあるんだとかで、その後、1909年に東京音楽学校(現東京芸術大学)に入学して声楽を学び、なんか知りませんけど、テノール歌手として将来を嘱望されたんだとか。
    ここで何の人か分かったらやはり、ガソリン1年分を差し上げたいくらいすごいですよ。

    で、 結局は音楽教育と作曲の道を選び、大正7年(1918年)に研究科作曲部を修了。
    音楽教師としては、没後に「音楽教師」という映画にもなり、見た目から「ライオン先生」と呼ばれて生徒に慕われていたそうです。
    ここで何の人か分かったらそれでも、豪華客船で行く世界一周旅行券をペアでを差し上げたいくらいすごいです。

    この人は「城ケ島の雨」「とんび」「昼の夢」など数々の名曲を作曲しました。

    まだ分からない?

    もうっ。

    「どんぐりコロコロ」の人ですよ。
    みんなが知ってる「どんぐりコロコロ」を作曲した音楽家です。
    小学校前には、「どんぐりコロコロ」の歌碑が、この銅像の右横にあります。譜面と歌詞が掘られています。

    ためになったね。

    ちなみに、作詞は青木存義という宮城県の人だそうです。
    なんと生家跡に「どんぐりころころの石碑」があるそうです。


  • v134 真冬を楽しむ/愉快な札幌63:お待ちどう

    ■真冬を楽しむ

    雪上車
    札幌・藻岩山頂上でソリを引く雪上車

    JR札幌駅から南に4~5kmのところに小さい山があります。藻岩山(もいわやま)と言う531mの山です。横浜のランドマークタワーと東京の六本木ヒルズを積み上げた高さです。高いっちゃ高いけど山としては低いと思う微妙な高さであります。

    サルでも登れちゃう小さい山です。サルなら登るか…。というか、この山にはキタキツネやエゾシカ、エゾウサギ、エゾリス、テン、野鳥ではノスリ、ヒヨドリ、アカゲラ、コゲラ、エナガ、キバシリ、ハシブトガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、マヒワ、カワラヒワ、ウソなどなど、野生の動物がうようよしているというので、全国的にも珍しい都心の山なんだそうです。

    しかしこんなに寒いのによく生きてますね。でも人間もババシャツを着れば暖かいので、毛皮をまとった動物は結構暖かいのかも知れません。いや、…分からないけど…。

    藻岩山へは野生動物との遭遇ではなく、別の期待(アイステラスで一杯やる)を持って4人でロープウェイで向かいました。

    客は全部で10人程度。後で考えるとこの人数はラッキーでした。いい場所から写真撮り放題でした。

    ロープウェイ

    たった531mしかないというのに、ちょっと上がっただけですごくいい景色です。こんな観光パンフレットのような写真を撮りつつ登りました。

    上に着いて発着所を出たところにライトアップされた氷の囲いがありました。でも狭くて小さくてしょぼしょぼで、期待のアイスバー(アイステラス)のような雰囲気もありません。さらにこの上の頂上へと向かいます。

    夏場なら頂上まで数分のバスが出ているのですが、冬場は雪上車になります。これがまた三角おむすびのようなキャタピラで、子ども心をくすぐります。…子どもかっ。
    5分ほど乗ると頂上です。

    雪上車

    結局頂上にもアイスバーはなく、氷に囲まれてベロベロになるまで飲む夢は叶いませんでした。しかし、以前(vol.89)の手稲山同様、景色は素晴らしく、感動的でありました。

    夜景
    夜景

    この日は晴れ、三日月くっきりでした。
    気になる気温は氷点下6度。ババシャツを着ていましたからギリセーフな寒さです。帰りの雪上車はこれがまた嬉しいことに、ソリを引いて走るタイプ。子ども心をワシづかみです。ソリは16人まで。気がつくと随分たくさんの人が雪上車を待っています。

    「あっ、そうか、札幌は雪まつりで人間が増殖しているのだった」

    夜景を見るために観光客が続々と押し寄せている感じでした。雪上車が引くソリにはちょうど最後尾の1列に乗ることができ、最初の写真を撮ることができたのです。

    ソリ
    ソリはノルウェー製のハンドメイドの16人乗り

    帰りのロープウェイはながーい行列ができていました。行列が苦手な私も、こればかりはラーメン屋のように「じゃ違う店にするわ」ってぇわけには行かず、ひたすら我慢するしかありませんでした。

    そして寿司詰めのロープウェイに乗り、何語か分からない言葉の会話を耳にしながら、ロープが切れないことを祈りつつ、窓が割れないことを祈りつつ、途中で止まらないことを祈りつつ下界へ降りたのでした。

     

    ■第63回 愉快な札幌大発見:お待ちどうさん

    お待ちどうさん

    完璧なダジャレですね。
    うどんに限らず、北海道産小麦を原料として作られた麺類の総称ブランド名が『おまち道産』なんだそうです。
    ラーメン・うどん・焼そば・餃子の皮等の商品が出ているそうです。今話題の餃子の皮はぜひ、安全な北海道の小麦を使った『おまち道産・餃子の皮』をお試し下さい。食料自給率200%の北海道に愛の手を。
    プレゼント企画はありましぇん。