■実験農場開始
耕さない、肥料もやらない、雑草もとらない、もちろん農薬は使わない。ひたすら観察する。葉の状態、土、どんな虫がどんな場所の何を食べているのか、観察をする。
そして究極は何もしないで、ラクをして、作物ゲット!!
そんなことで本当にいいんですか、という「自然農法」の世界。
自然農法的な考え方に衝撃を受けてから、かれこれ10年近く経ちます。自然農法は「農業」ではないです。多分「業」ではないのです。自然農法は生き方の追求であり、多様化であり、世界の成り立ち(食物連鎖・共存)の確認作業であり、観察眼の先鋭化であります。
ひいては愚かさからの脱出、人類を救う道なのであります。いやいや、そんなもんじゃない。すべての生物と生物環境を維持する思想・哲学なのであります。宇宙も関係してるかも知れない。1億光年離れた星の得体の知れない生物の存亡に関わっているかも知れないのであります。
だってそうなんだからそうなんであります。(ケロロ軍曹かっ!!)
邪魔な虫を殺し、鳥を追い払い、サプリメントのような人工的な肥料を与え、一定の規格に合わせてつくる、こんな作業を続けていては、土地が痩せ、食物連鎖が壊れ、毒物が形成され、最終的に人間自身にそのしっぺ返しがくるのです。
行き過ぎた農業はアメリカに典型で、殺虫遺伝子を作物に組み込んだりして、過剰な大量生産を無理矢理続けています。「経済的合理性」という悪魔のささやきにコロッと負けているのであります。
食料は経済原理から遠ざけることが必要不可欠なんであります。食の安全性だけでなく、未来に続く地球環境の問題として、「お金」を言い訳にせず、よく考えておかないといけないのであります。
だってそうなんだからそうなんでありますよっ!!(ケロロ軍曹かっ!!)
理屈っぺー話はこんなところにしまして。(笑)
ついにその自然農法にトライする環境が現れ、いつの間にか実験的な畑仕事をしている自分がいるのでありました。
それは自然農法的手法で作物を作っているKさんと知り合えたことで実現しました。
たまたま土地の一部が放棄地のようになっていて、たまたま自然農法に活用しているKさんが、一人では手が回らない、という状況があり、たまたま私が『ここで実験してみたい感じ』を何気にかもし出していたら、やっていいよ、となったのでした。
Kさんの自然農法的試みは、まだ手探りの3年目くらいなのだそうです。
この理解されにくい農法によって、周辺の常識的なおばちゃんなどからは「いわゆるひとつのキチガイ扱い」されているとのことで、何と言いますかこの・・・
「常識外ではあるが、間違ってはいないと確信があるケース」
はまさに、キチガイ扱いされる要因に100%合致するわけで、この宇宙を救う自然農法を実践するなら、大きなリスク(ご近所の白い目とか)を背負うしかありません。
私の眼前には、草ボーボーの荒れ地がありました。
さて、手始めに何をするのか。そもそも自然農法には「耕してはいけない」なんていう不文律があります。さらには「除草しない」ってのもあります。
「無理じゃん」
そう、無理なんであります。すでに草でいっぱいなのだから。
いやいや、そう思った私は頭が固すぎました。畑を作るのだから、ある程度人の手が入っていいのでした。必要最小限、と考えるべきでした。
だからやってみなけりゃ分からないですね。
しかし、このボーボーの草たちを、ただ邪魔なだけと考えたらいかんのです。この草は虫のご飯なのです。全部抜いたらここにいた虫が全部いなくなってしまいます。虫がいなければ受粉しないから作物はできませんね。
だからまず畑にしたい部分だけ草を引っこ抜きました。(その草はあとで使います)
少なくとも、ウネは作らないと、大雨でやられたりしますから、やっぱスコップやクワが必要です。道具を置く場所を作りました。
そして翌日から開拓を開始したのです。
土の中は木や草の根が張り巡らされていて、長い根を引っこ抜くにも力が必要でしたし、木の切り株などもあってヘトヘト、土埃が立つのでマスクも必要でした。
腰痛で死亡寸前。
実験農場に興味を持ったネズミ男が加わりました。
「トウキビとニンニクと、それからソバ、ソルトリーフも作りたいっ」
屈託のない笑顔で明るい未来を語りました。
ウネは耕してません。ひどい木の根などは取り除き、両サイドの土をウネに乗せただけです。そして数日放置。(この時期、まだまだ寒くてストーブ炊いてましたし)
Kさんが苦労して集めた落ち葉などから作り上げた秘蔵のタレ的な「腐葉土」をバケツに入れて運びました。200メートルくらいかな。
肥料はこの「腐葉土」のみ。
腐葉土は土中の微生物を増やし、何年もかけて良い土を作っていく、ということ。最終的には追肥も何もしなくても作物は育つ、という目論みであります。しかしそれは理想であって、収穫した作物の養分は引き算されるので、腐葉土は必要と思われます。
常識的な農業は、この肥料がが牛や馬や鳥のウンチョコであり、余計な虫を呼ぶ可能性が大きいのです。そうすると農薬が必要になる。あるいは予防的に農薬を撒く。それはマズいのです。人の口に入るのだから。
百歩譲って、ウンチョコは口に入れてもいいけど(え~!!)、殺虫剤はマズいですよね。
しかも、牛や馬や鳥のウンチョコ肥料は、カンフル剤のようなもので、土を根本から改良するものではないと考えるのが自然農法であります。多分。
「除草」は土の養分の引き算になるので、、抜いた草はその地へ戻すのが基本。
しかも除草は最低限にする。それを食べる虫が、作物につかないように。コンパニオンプランツの考え方ですね。私、庭で虫用にマリーゴールドとか植えてましたが、いわゆる雑草でいいのです。あるいは作物を虫に食べられても構わないのです。どうせちょっとだし、それが自然だし。
そして、ハイっ、
草のケーキや~!! (彦摩呂風)
ズッキーニとキューリの苗を植えて、そのまわりに抜いた草を乗せたところです。
特製草マルチです。(笑)
※マルチとは、ビニールなどで土を覆い、保温・防虫、雑草の抑制などを図ること
草を乗せることで、水分の保全と、土の保温、ゆくゆくは養分も土に返す、という意味合いがあります。憎まれもののスギナも便利な草の毛布であります。
普通の家庭菜園などは、キレイキレイに作るから、草は「雑草」として抜いて、有料ゴミとして捨てるんです。そうしないと変な目で見られます。
「片付けもしないで何やってるんだ」と。
世間の白い目攻撃は、人間を廃人にもしますから強い心が必要です。
で、もう一回見てみますよ。
「誰だこんなバカみたいなことやってんのは!!」
ってなるね。世間は理解してくれませんよ。
さて、今回は、いくつかの実験をしています。
ハーブの自生環境構築実験。蔓性植物の限界に挑戦。種のゲット。などです。
種があれば、自給自足生活に一歩近づくのであります。
経済システムが崩壊しかけている昨今、信じられるのは自然の恵みなのであります。
さて、いい土が出来るまで、何年かかるでしょうか。