■庭の記録2
草ボーボーだったんです。
しかしそこには、ミントが繁殖し、レモングラスが自生し、コリアンダーも生え、ニンジンも草ボーボーの中で生えていたのです。この2年間あえて選んだ固定種です。
一世代しか作れないF1種とは違う、固定種の第二世代で、勝手に自生すれば、これからは何もしなくても毎年食べたり、食材に利用できる野菜やハーブなのです。
私の狙いはまさしくそれであり、そして「何もしない実験」でありました。
膝の痛みもあり、何もしない実験をする絶好の好機であったのです。
去年緑肥用で撒いたライ麦が生えていたので、秋には実を付けるのか、スズメ達が食べるのかどうか、ちょっと楽しみにしていました。
さらには、夏場に刈り取ってはいけない「アスパラ」も、元々自生していたニンニクも、後からその種で増やしたニンニクも、すべて刈り取られました。
「世間体」という怪物によって。
草ボーボーは、誰に迷惑をかけるかと言えば、それほど誰の迷惑にもならないと思っています。まして我が家は、ほぼ囲まれるように周囲に家が建ち、日陰となって外からはほとんど見えないのですから。
唯一の心配は実害があるかどうか。何もしないことによって、特定の虫が発生し、それが近所の庭にも影響するのかどうか、です。
この草ボーボーの世界を観察していて、気づいたことは、毎年作物を食い荒らす「ウリハムシモドキ」もいつもと同じように存在していたことで、どうやら作物に関係なく、このあたりには普通にいるということがわかります。しかもそれは特別に被害を与えるほどでもなく、多分なにか理由があって存在しているはずです。
草ボーボーはむしろ、チョウやハチ、クモ、何だか分からないいろいろな虫がバランス良く存在し、鳥もたくさんやってきます。見栄えが悪いだけです。
(見栄えが良いか悪いかは個人の差もあります。私はむしろ美しいと思う)
そして草ボーボーは、あえてそうしているのであり、否定されるのは心外なのですが、私が説得力を持たないため、それはもう世間体のやりたい放題、というわけなのです。
そもそも「草ボーボー」と表現している時点で負けです。
草キラキラ、花ピカピカ、虫イキイキ、とすればちょっとは勝ち目も出てくるかもしれませんが。
「世間体」という怪物は強いです。その正体は多勢ですから。勝てるわけがないんです。私ごときに。(笑)
これまでの常識を否定することは、上の世代そのものを否定することになるのかも知れません。イコールではないと思うけど。
楽しい試行錯誤は続きます。