■名探偵が謎の解明に乗り出す
ずっと気になっていたのであります。あの日(前号)、なぜ道に迷い、どこを歩いていたのか。その手がかりとなる1枚の写真。この建物は何だろう。壁に書かれている「TN-111」を検索しても分からない・・・。
推理は比較的簡単。
★スタートした店から歩いていける範囲、せいぜい3~4km以内にこの建物がある。
★ローソンに立ち寄ってタクシーを呼んでもらっている。つまりローソンが近い。
★ローソンのカウンターは出入り口から入って左側にある。
★記憶の片隅には、深い山々が見え、民家すらない郊外を通った。
この町は、4車線の国道と石北本線の鉄道が平行する分厚い壁が北と南を分断しています。会場(謎の仮装大会)と我が家は北に存在し、その距離は1.5kmほどしかありません。この距離でなぜ迷子になってしまったのか。
会場から南に向かえば国道と鉄道が阻むため、南へ向かうことはあり得ない。
迷うとしたら、西か東へ行き過ぎるパターンしかない。
暮れに、車で町へ出たついでに、この謎の建物を探すべく、のろのろうろうろと車を走らせ探してみました。ローソンを見つければその近辺にこの建物があるはず。
まずは東方向。
さっそく1km以内にローソンがありました。しかし近すぎるし、カウンターの位置が違う。近辺に民家も多い。ということで、やはりこの近辺にはあの建物はありませんでした。そして東方向にはもうローソンが見つかりませんでした。
探す作業もさっそく逆からやっちまったようです。
次は西方向。
西へと向かうと、途中で曲がってくる4車線の国道が邪魔をします。その手前を北へ向かうとローソンが2~3店あります。近所には自然公園もあります。
ただ、これらも近すぎるのです。迷うほどの距離ではない。
まさかこんな近くで迷うだろうか。
ひとつのローソンのカウンターの位置が記憶と合致しました。この近くであの建物を探しました。あっちこっち、のろのろ、うろうろと車を走らせました。でも見つかりません。
「やっぱり違う」
その日はあきらめました。
あけましておめでとうございます。
1月1日、ヒマつぶしにドライブしました。そして、やはり迷った道と建物が気になり、再度探したのです。
東にはない。西にもない。北は自宅エリア。
あり得ないが南かもしれない。国道と鉄道を越えた南側には大きな川(常呂川=ところがわ)が流れています。その川沿いを4~5km東から、目を皿にして探しました。
「いやー、こんなところまで来ないし、南側に来るはずがないんだよ」
すると名探偵のカミさんが言いました。
「ありえない方向へ行ってる可能性はある」
そして駅の真裏のよく知っている道路を通過。
「うーん、この陸橋は渡るはずがない。渡る前に場所が分かる」
探偵「確かにこれはあり得ないね」
「ここは特徴的な五差路を渡らないとならないから渡る前に分かる」
「ここには何度も買い物に来てるし、見れば場所が分かる」
探偵「うーん、そうだなー、あり得ないな。でも暗い深夜だから・・・」
突き当たりを右へ行けば国道。仕方なしに左へ曲がった時でした。
探偵「あっ、あの形っ」
「あっ、あれはめちゃめちゃ似ている。あ、書いてある文字も同じだ」
なんということでしょう。あり得ない場所に建物がありました。
当時、この画像の向こう側(北)から歩いて来て、見慣れない建物に不安になり、振り向いてこのアングルから建物を撮影したと思われます。
ここからローソンを探します。
南へ進むと常呂川に突き当たりました。川の向こうの山しか見えない風景となり、記憶と合致しました。ここはかつてこの通信で書いた「南丘森林公園」(v250)の山でした。
探偵「来たことあるじゃん」
まあ深夜の2時過ぎにここに来ても分かるはずはないのです。酔ってたし。
それからローラー作戦のようにローソンを探し、発見。やはり近所にありました。家から3km、会場(店)から1.5km。完全な真逆。ほぼ180度の等距離。見事なまでの正反対の位置でした。
トータル推理はこうです。
探偵曰く。
まず、店を出る時点で北側の道に出たつもりが南側に出ていて、結果、東に向かったつもりが西へ向かった。大きめの通りを国道とは分からずに横断。いつもなら分かる風景が交通量もほとんど無く、深夜のため暗過ぎて見えず、しかも氷点下15度の寒さと泥酔で視野が狭くなり、北へ向かっている錯覚のまま南へ歩く。
見慣れた風景も暗さと酔いで気づかず通過。
変な建物があり、なんだこの見たこともない建物は、と撮影。
そこからさらに南へ進み、何となく歩いていったら川沿いに突き当たり(しかし川は見えない)、山が立ちふさがるような光景を見る。ゾッとするような山道と勘違い。かなり心細くなり、民家のある方へ引き返す。
右折左折を繰り返しているうちにローソンを発見。飛んで火にいる夏の虫のようにローソンへ駆け込む。(笑)
何も買わずにタクシーに乗ったため、ローソンの領収書などの手がかりをも残せなかったのが現場発見を遅らせたのである。
温かいコーヒーの一杯でも買っていたら、時間と○○(町名)店の正確な表示が手に入っていたのに。
しかしまぁ、自分でもまさかの道を歩いていたことに驚愕したのでありました。
事件は解決し、心に平和が戻ってきました。次は気をつけよう。
皆さん人生の道は誤らないで下さいね。