v310 つーふー

■つーふー

そんなバナナ
おそろしいことが

生き物は死んだら終わりです。どうせ終わりだからなのか、人間は死ぬほどのことは考えない頭の作りになっているのかも知れません。ネガティブなことはあまり考えない方が、ストレスも少ないですから。

8月29日の夜、何もしていないのに右足のアキレス腱あたりに痛みが走りました。骨折のような痛み。アキレス腱断裂? それはどんどん痛みを増していきました。ただ座っていただけなのに。
『はっ、痛風か、痛風なのかっ!?』

何もしていないのだから、状況的には痛風しか考えられませんでした。風が吹いても痛いなんてもんじゃなく、風なんて無くても激痛で、痛みはずっと続きました。その日は痛過ぎて眠れませんでした。

丸三日間、あんまり効かない痛み止めで我慢していました。痛くて触れない。触ってなくても痛い。痛いんです。痛いんですよ。延々と痛いのです。何とかしなくてはっ。

理屈では尿酸結晶を減らさないといけないので、水を飲みまくってトイレへ何度も行きました。でもそのトイレまでの道のりが険しくて、水を飲むのも恐怖でした。

こんなに痛いのか、と思いましたが、ずっと前から情報としては知っているわけです。大抵の人はみーーーんな知っています。風が吹いても痛いってのは知ってますよね。痛風になって痛過ぎてワロタ、なんて言ってる場合じゃないですからね、なったら。。。

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究極の1文字だじゃれ「鵜」

こればかりはなっちゃ大変よ。だからならないように気をつけましょう。って普通なるんですが、自分はそうならないと、根拠もなくみなさん思っている、あるいは「そんなに痛くないだろう」とかどこかで思っていて、なってから後悔するのです。

まあ確かに、ガンも脳梗塞も腎不全も肝硬変も全部おそろしい病気なので、全部に恐怖していたら、生活そのものが出来なくなってしまいます。でもそれを言い訳にしていたら、なっちゃうんですね、これが。原因があるから結果が出るのです。

私の場合は、薬がイヤで、極力飲まないようにしています。自然治癒力が落ちるのがイヤというのもありますが、それより、高齢者は大抵、薬を大量に飲まされていて、そういう高齢者を見るたびに、ヤバいと思っていたのです。血圧が高い、ハイ薬。熱がある、ハイ薬。風邪ひいた、ハイ薬。胃に悪い、ハイ薬。このままでは私も薬漬けにされるかもしれない。それは避けたい、と。

ところが数年前の市の健康診断で悪いところが(昔からですが)いくつもあり、精密検査を勧められ、ついに、血圧の薬を出されてしまったのです。(去年の5月です)
仕方なく飲むことにしたのですが、続いて尿酸値が良くないということで、また別の薬も出されてしまいました。(去年の11月頃)

いつの間にか2種類の薬を長期に渡って飲まされている。ヤバいじゃないですか。この調子で4種類、8種類16種類と増えて行くわけですよ。ここが瀬戸際なのです。このままでは年々薬漬けとなり、薬で腹いっぱいになり、「ご飯より薬の方が多いよ」なんていう笑えないギャグを飛ばすことになるのです。

血圧に関して、この頃はほとんど正常な範囲でした。塩分は10年以上前から控え目でしたし、畑で運動量が増えていましたから、その分良かったのだと思います。

そんな時、医者は言いました。
「ああ、だいぶ良いですね。この調子で薬は続けてください」
『おいおいおいっ!!』と心で思いました。数値がいいなら薬やめようよ。それとも経営的に出さないとマズいわけ?

いわゆる不信感です。
安くないんですよ、薬。むしり取られ巻が感が凄い。製薬会社の手先かこの医者は、と思いました。(しかし薬がこれほど大量に作られているのに薬価が高過ぎじゃないですか。みなさんチュウチュウ吸われているんですよ)

それからいろいろワケあって、予約をキャンセルして病院へは行かないことにしました。その最後の予約日が今年の6月17日。

つまり薬が切れてから2か月半経っていました。尿酸値は10年以上前から9.2とか、確かに異常に高かったわけですが(7.0までは正常)、薬で7.7まで下がってはいました。

ちょっと言い訳をします。もし医者が本当に病気を予防したいのであれば、薬ではなく、どう生活習慣を改善したら良いかを口にすべきではないですか。薬は不自然だ、できれば飲まない方が良い、という立場であるべきではないですか。

診察の度、その都度「塩分がまだ多い」とか、「水をもっと飲め」とか、そのアドバイス込みで薬を出すべきではないですか。私も知っていたものの、やはり例えば「水を飲み尿酸結晶を排泄する」、「アルコールはどんどん減らす」という行動が不十分で、つまり、認識が足りないのですから何度も何度もそれを言うのが医者の役割じゃないですか。

と、痛風になってから言う私。

でもまあ、交通事故の過失割合で言えば五分五分なんでしょう。いやいやいや、もともと人間は、分かっていても欲望に勝てなかったりするので、「命を粗末にするな」と一喝して、強制できるのも医者の特権ではないですか。一九だな。どうでもいいか。

しかしですね、とにかく驚きました。痛風の痛み。この恐怖を体験したら、もうなりたくないのでいろいろと予防に努めると思います。それが学習というものです。

ただ、すぐ忘れる、学習しない、というのもまた人間の大きな特徴であるとも思います。考えてみれば戦争が絶えません。人類はバカなのでしょうか。一部にバカが存在しているというだけなのでしょうか。伝え聞くだけでは想像力が追いつかず、個体が懲りなければ学習しないのでしょうか。

バカはバカで愛すべき存在ではありますが、本当のバカにはならないように、悲惨な結果をもたらすスイッチだけは押さないように、気をつけたいものだと思いました。


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