■ゴミ収集問題の謎 その1:解けた謎
札幌市環境局清掃事業部発行の「家庭用 ひと目でわかる 改訂版 ごみ分けガイド」というひと目でわかりそうでわからない冊子があります。A4で32ページ、イラストをふんだんに使ったフルカラーの立派なものです。
「ひと目でわかる」というように、確かにわかりやすそうなまとめ方はしてあるのですが、どうも腑に落ちないのです。それは現実にゴミを捨てようと改めてそれを見ると、どう考えてもゴミをうまく捨てられないのです。
最終的にはそのガイドを無視した形で捨てざるを得ませんでした。いつも心を痛めて捨てていました。
実は、長年暮らした東京から札幌へ来たことで、ガイドの図を理解することができなかったのです。これを書いている10月8日、引っ越して7か月めにして初めて理解できました。
具体的に説明しましょう。
ゴミは大別して、「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」「燃やせないゴミ」「燃やせるゴミ」「大型ゴミ」「他」の6つになります。「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」は「資源の日」に捨てるように書かれています。
ガイドによると
「ビン、缶、ペットボトル」と「プラスチック」については、それぞれ別の収集車が回収する、と書いてあります。あーそーですか、で済みそうなこの部分が結構重要なポイントでした。
これが「回収して、運ばれた後に選別される」とあればピンときたと思うのです。
つまりこれが何を意味するかというと、「ビン、缶、ペットボトル」はひとつの袋に入れて出して良いということなのです。
こんな勘違いをしていました。
ガイドには、ビン、缶、ペットボトルはひとつの袋に一緒に入れてもいいような図が書かれています。しかしこれまでは缶ですら「アルミ」と「スチール」に分けて袋詰めして出していたくらいですから、私にはビン、缶、ペットボトルを一緒に入れるような無謀なことは考えられませんでした。
どうですか、ビン、缶、ペットボトルをひとつの袋に入れるって、そんなコーランを踏むようなことができますか。できませんね。
だからガイドの「ビン、缶、ペットボトル」というのはひとつのジャンル分けであって、それぞれ別の袋に入れるのだな、と理解してしまったのです。これが大きな勘違いを生みました。
別のひとくくり(ジャンル)の「プラスチック」も当然、内容が細分化されています。
「パック・カップ類」「プラスチック製ボトル類」「チューブ類」「ポリ袋・ラップ類」「トレイ類」「緩衝剤」「ネット類」「その他」の8つなのですが、「ビン、缶、ペットボトル」の勘違いから、「それぞれを別々の袋にいれなさい」としか解釈できなかったのです。
引っ越してきた当初は「なんじゃこの細かさはっ」と頭を抱えてしまいました。北海道はなんてやることが細かいのだっ、と思いました。全然おおらかじゃない、なんて。
そう考えてしまうとドツボにはまります。
「燃やせないごみ」は、「台所・水回り用品」「資源の日に収集しない容器」「皮革・ゴム」「小型家電製品類」「玩具・文房具類」「ブロック・レンガ」「木の根」(何だこれは…)の7つに分類され、さらに「他のものと分けて出す燃やせないごみ」というのが3つありまして、「スプレー式容器」「ガラス・せともの・蛍光管」「筒型乾電池」となっています。
この10種類を別々の袋にきっちり入れて出さねばならないように見えてしまうのです。
できるんですか、私に。教えてください、文房具類はいつになったら袋一杯になってくれるんですか、文房具類だけを回収する車があるんですか、割れた茶碗もいつになったら袋一杯になるのですか、回収車はいったい何種類あるのですか、こんなに細かく分ける意味ってあるのですか、山は死にますか、海は死にますか…はあはあ…。
なんてことを考えていました。しかしできるはずがないのです。それで仕方なく混ぜて袋に入れていたので、心を傷めていたというわけです。
ついでにもう少し。
先にも書きましたが、資源ゴミは回収された後、資源選別センターというところで選別するので、缶も「アルミ」と「スチール」で分ける必要がありません。だから缶は潰すと選別ができないので“潰して捨ててはいけない”ことになっています。ペットボトルもリサイクルのマークが見えなくなるためか、これも潰して捨ててはいけないのです。
缶はつい癖で潰してしまうのでとてもやっかいです。潰したくてウズウズするのを我慢しないといけません。ゴミのカサを減らす意味で潰していたのに、何となく理不尽です。
これはひとつのカルチャーショックなのでありましょう。