■ゴミ収集問題の謎 その2:解けない謎
今年3月、東京から札幌へ引っ越す際に、ゴミのことでとても困ったことがありました。
スプレー式の殺虫剤の処分です。
札幌市が出しているA4で32ページ、イラストをふんだんに使ったフルカラーの立派な冊子「家庭用 ひと目でわかる 改訂版 ごみ分けガイド」によると、このスプレー缶の処分の仕方についてはこう書かれています。
整髪料・殺虫剤・卓上ボンベなどは、中身を出し切ってから
屋上などの風通しの良い場所で穴をあけ、
中身の見える別袋に入れてください。
引越しの際、処分に困っていた殺虫剤は、中身がたっぷり残っているものが5~6缶ありました。穴を空けたら人間が殺虫剤をたっぷり浴びて死んでしまいます。使い切るまで噴霧するのは危険です。外で出し切ったらいいとも思いません。だって町に薬剤をばらまくことになります。で、結局どうしようもなくてそのまま捨ててしまったのです。
おそらくどう考えてもいい結果は生んでいないでしょう。そのことが妙に気にかかっていたので、立派な冊子を出している札幌市の清掃事業部ならいい解決法を知っているだろうと電話してみました。さて、本当に正しいスプレー式殺虫剤の処分の仕方とは…。
「もしもし、ごみの捨て方で、ひとつお聞きしたいのですが」
「はい」
「殺虫剤のスプレーが大量に残っているんですが、この場合どうしたらいいですか」
「あ、えー…中味を出し切った上で、缶に穴をあけてください」
(あらっ、杓子定規かよっ、と思いつつ)
「なにぶん殺虫剤なので…、部屋で噴霧するのも危険ですし…」
「そうですね、屋上などで中味を出し切って、缶に穴をあけてください」
(屋上かよっ、と思いつつ)
「え、人のいないところという意味ですね。山の中とか…」
「屋上などで出し切って、缶に穴をあけてください。屋上ありますか」
(なんで屋上なんだよ、と思いつつ)
「はい、ありますけど、いいんですか」
「人のいない屋上でやってください」
(屋上限定じゃん、と思いつつ)
「じゃあそうします。ありがとうございました」
屋上にこだわっている意味がよくわかりませんでしたが、あとになって思いました。人のいない山や川の近くで劇薬を垂れ流すと、動植物に影響があるな、と。
そうか、屋上でなら毒物が薄く広く町に降りかかるわけで、人間が作った毒物は人間に還元してこそ真の自己責任が果たせるというわけなのだな、と。
札幌市役所の職員さんには地球への愛が感じられたのでした。(ウソ)
というか、なぜ屋上なのかはやっぱり謎です。
というわけで、札幌にお住まいで、スプレー式殺虫剤の処理に困っている方にお願いです。決してどこかの屋上で噴霧し切るような無謀なことはやめてください。
他の市町村の処理方法を、どなたか知っていたら教えてください。(泣)