■雪虫
北海道では、北海道以外の日本のことをザックリと内地と呼びます。神奈川出身の妻が「雪虫(ゆきむし)」を初めて見たというので驚いたのですが、内地の人は「雪虫」を知らないのかも知れませんね。(東北にはいるようです)
秋にたまたま雪虫がいたので写真に撮れました。5ミリ程度の大きさです。弱々しく服に付いたりするので、人なつっこく感じたりします。雪が降るちょっと前くらいに現れ、大抵は集団でふわふわと宙を舞っています。しかし札幌で見た雪虫は集団化していなくて、ほとんど見かけないまま冬になってしまいました。
今年はやはり異常気象で、この雪虫ではなく、動きが速くてうざったい小さなアブラムシが集団化し、ニュースになるくらい飛んでいました。
雪虫については、昔から普通に飛んでいるものでしたので、特別調べたことはありませんでした。それでちょっとだけ調べてみました。
正式名称はトドノネオオワタムシ。多分「トドノネ=トドマツの根」に住む「オオワタムシ=綿が多くまとわりついたような虫」ではないかと思います。(適当。違うかも)
そもそもこいつはアブラムシで、ヤチダモ等の木の根で越冬し春にふ化。トドマツに引越して、夏場はその根、地下でひっそりと暮らします。つまりずーっと日陰の生活を送るわけです。
その数カ月でなんと“4~5世代”を経て、秋に羽のついたふわふわのヤツが生まれてきます。これが雪虫と呼ばれるヤツで、冬間近になって飛び立ち、日の目を見るわけです。
トドマツから雪虫となってヤチダモに移り、交尾をして越冬卵を生む、というサイクルになります。ちょっと驚くのは、このふわふわしたヤツは実はヤツではなく、すべてメスなんだそうです。てことはオスはずっと暗い生活を送っているのですね。
それはともかく、雪が降る1~2週間程度の短い期間しか見られない雪虫は、見ていると本当に癒されますよ。そっと手を出すと止まったりします。ただ、雪虫は非常に弱く、少しの衝撃で死んでしまいます。ホモサピエンスのメスとはちょっと違いますね…。
(^◇^;)
キタキツネ、マリモ、クリオネのように、いつかユキムシキャラが登場するかも知れません。(はっ、ビジネスチャンス?)
松嶋菜々子がおいしいと言ったという北海道名菓「ゆきむしスフレ」―それは決して雪虫が原材料ではないお菓子ですが―を食べつつ、ユキムシキャラのブレイクの予感に包まれるのでした。
なお、トドノネオオワタムシは「害虫」なんだそうです。納得いかない。