■何とかならんのか牛乳
北海道で、絞りたての牛乳が1000トン、余って捨てられた、とのニュースが流れていました。2週間くらい前だったと思います。1000mlパック100万本分ですよっ。フルーチェが何杯食えるんでしょうか。 ヽ(`ロ´メ) ムカッ
そしてまたこの金曜日だったか、900トンの牛乳が捨てられた、というニュースが流れました。いったいどれだけの牛乳が捨てられているのか、全体図が見えません。
とにかくもう「もったいない」ったらないです。
捨てるのであればと、今、スーパーで1000mlのパックを買うと200mlの牛乳がタダでついてくるようになりました。その前は、とにかく来たお客さんにタダで配っていたのがニュースになっていました。結局は酪農家の負担になるというのに、消費者としては儲かったと喜びます。
原因は消費者の牛乳離れだそうですが、酪農業者の営業努力の欠落ということで、生産者側の自己責任だと言われるのが今の日本の姿なんですね。テレビでもそんなこと言ってました。でも調べてみたらびっくりしました。
今年の1月の国会で、小泉首相が「攻めの農政を進める」と話し、国として100万トンの牛乳の生産“増”の計画を指示しているのです。わずか2か月ほど前の話です。
政府方針が「増加」の方針を出したために、酪農家は増産体制をとり、2~3年先には5割も増加を目指したところもあったそうです。(生き物ですから急に生産を増減できません。とりあえず乳牛を増やしたという段階です)
しかし牛乳の消費は実際には激減中で、今年の3月に、生産者団体が全道で1万トンの減産調整をしなくてはならないという結果に達してしまいました。牛の乳を水道の蛇口のようにキュッとしめるわけにもいかず、剰余分が産業廃棄物として捨てられることになっていったのです。
それだけじゃなく、休ませるしかなくなってしまった乳牛を多数処分することになり、酪農家は本当に泣きまくっています。
チーズやバターに加工してもすでに限界で、何とっ、加工された製品を酪農家が買い取る事態になっているのだそうです。
そしてついにというか、スキムミルクにして世界の飢餓に苦しむ人々へ寄付する形も取り始めました。
ただ生産していればいいと「あぐらをかいていた酪農家」の苦悩ははかり知れません。
(生産者側の見通しの甘さはありますが、何と言うかこういう言い方になる国になってしまったのですね。増産を指示した国の責任は問われませんし)
さて、我が家では「牛乳を久々に飲む」ことを決め、朝、起きがけに冷たいヤツをゴクゴクと飲みました。これが実にうまいのです。北海道で売られている牛乳は実際に「内地」のものより数段モノがいいそうで、それもテレビの特集でやっておりました。
どのくらい違うのか。
「内地」(岐阜だったかな)で評判のいいフランスで修行を積んだお菓子職人が、20年も前に北海道のパック牛乳に惚れ込み、以来ずっとこの牛乳で何か出来ないかを考えていたようで、最近、ついに札幌でアイスクリームバーを開業するに至ったのです。職人の話では、やはりおいしさが違うので、牛乳のおいしさを最大限に引き出すために、お菓子ではなくアイスクリームを作ることにしたと言っていました。
内地に自分の店を複数持っていたのですが、経営権を他人に譲り、わざわざ北海道でアイスを作るためにやってきたというのです。そのくらいうまいのです。
そしてその店は不況の札幌の中でも盛況で、姉妹店を出すという計画もあるようなのです。
で、その本当にうまい牛乳をゴクゴク飲んでほどなく、トイレを往復する私でした。急に飲むと腹が壊れますね。なんでかなー、うまいのになー。
でも飲みますよ、牛乳。
日本一の、いや世界一うまいかも知れない北海道の酪農を崩壊させることが一番もったいないですからね。そうでしょ。