■紅葉の季節
昔、東京へ出た年に、1年間「冬」が来なかったことで調子が狂ったことを覚えています。一番ヤバいと思ったのは精神状態でした。春から夏、夏から秋、秋から秋、秋から春という流れになりますので、夏以外はすべて季節の変わり目なわけです。
北海道の場合、明確に「結構暑い夏」と「全生物を死滅させるような極寒の冬」があり、春と秋はそれをつなぐとても短い季節なわけです。それはとても過ごしやすく、しかし少なくとも私にとっては情緒的に不安定になる時期でありました。(昔から、人間はみな春と秋は情緒不安定になるものと思っていましたが、どうなんでしょうね実際のところ)
東京の場合、「妙に暑くて蒸し風呂のような春」と「地獄の釜茹での夏」と「さわやかにならない秋」と「季節感の無い冬」が循環しておりました。久々に北海道に住んで2年目にして“きちんとした四季”を感じています。
先日、秋の紅葉を見に、バスで1時間あまりの「定山渓」(じょうざんけい)というところへ行きました。何と100円で観光バスに乗れるのです。その100円は地域振興のための募金という形。まあ安上がりとは言え、そこへ行くまでに路線バス代で720円かかるのですが…。(細かい…)
で、その100円の観光バスは補助席を全部使っても乗り切れないほどの大盛況。そのほとんどは“おばちゃん”で(私もおじちゃんなんでしょうけど)、高齢化社会を肌で感じるのでした。「あらーきれいー」とか「まーきれいー」とか、「あら」と「まー」があちこちで飛び交い、途中で売っていたりんごやなしを食べる音やフルーツの匂いがバスを包むのでした。
バスガイドさんもしっかりと土地の名前の由来やら、様々なうんちく話を織り交ぜ、おばちゃんたちを頷かせていました。複数の温泉の入口、複数のダムの入口、公園や散策路、宿泊所などに止まり、好きなところで勝手に離脱してよいことになっています。
私はほぼ最後に近い散策路入口で降りて、紅葉の山道を歩きました。程なくして恐怖の看板が目に飛び込んできました。
○○の沢沿いに熊の目撃あり。鉄塔付近に熊のフン有り。などと書かれています。あれほどたくさん居たおばちゃんはほとんど別のところで降りたため、人気もありません。何だかちょっとイヤな感じを受けつつ、山道へ入っていきました。ハルニレという高木の林を抜け、杉林、松林を抜け、見事な白樺の林に差し掛かったところで、これ以上はさすがに怖くなって引き返しました。
白樺のところにはこんな看板があって、不思議な感覚になりました。
散策というよりは、探検に近いものがあり、規模の違いというか、質の違いというか、 あり得ない風景だと思いながら、しかしここも札幌市の一部であることにその広さを感じたわけです。
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■札幌のダジャレ的世界の発見 第3回・全力東急
今回はチラシです。天下の東急さんも札幌の手にかかっちゃひとたまりもありませんね。というか、これ全国展開でしょうか? 急の字の点のひとつが野球のボールになっているところがミソですね。
ところで前々回の「トドック」がテレビのCMになっていました。かろうじてギリギリ「犬」かも知れないと思いました。ご報告まで。