■年に1度の馬鹿値市
北海道に数多く点在する「ラルズ」と呼ばれるスーパーマーケットがあります。ラルズプラザとかラルズストアとかラルズマートとか、いろんなラルズで溢れています。
そのうちのラルズプラザ札幌店というのが大通公園から2条下ったところにありまして、要は札幌の真ん中にあるラルズなんですが、年に1度、4月1日にセールをするのです。エイプリルフールのフール、つまり「バカ」にかけて、馬鹿値市と言います。
きっとこの日を心待ちにしている主婦はたくさんいます。
チラシを見ると、4月1日の41にかけて、41%引き、410円、1410円といった価格が並んでいます。その中でもやはり何と言っても目ん玉飛び出し商品は41円ってやつです。
つい数日前に、あるお店へ入った時に、足元にあったストーブに気付かず、スボンを焼いて少し穴をあけてしまいました。スボンっていうのはナイロンのジャージなんですが、そのズボン(紳士裏メッシュウウォームアップパンツ)が41円で出ていたのです。しかも1人2着まで。これは時間差で2度入れば4着ゲットできるぜ、とか思いながらニヤリとしておりました。
しかし、全体的に甘かった。そもそもスーパーのおばちゃんの争奪戦に加われるはずがないのでした。結果的には争奪戦にすら参加できなかったのですが…。
朝10時開店と思い込んで、10時丁度くらいにラルズに到着しました。実際は9時半開店で、すでに店内はおばちゃんで溢れていました。とりあえず、41円の紳士裏メッシュウウォームアップパンツを求めて4階へ直行。紳士服などのフロアなのにおばちゃんで溢れていました。
時すでに遅し。
おばちゃんの群れはオオカミの群れ。さらにおばちゃんは下からどんどん上がってくる。やむを得ず、もうひとつの目的であった「2キロで410円のはちみつ」を求めて7階へと向かいました。
時すでに遅し。
全滅でした。仕方なくたまたまそこにあった41円の「フルーツのエキスを詰め込んだ綿とナイロンのボディタオル」を4本買うことにしました。
レジは20人くらいの待ちで、後ろには迫力満点のおばちゃんが並び、「あらぁ時間かかるかしらー」とか言っています。声をかけられているのか独り言なのかわからず、居心地の悪い思いをしておりました。何だか落ち着きのないおばちゃんで、こっちも落ち着きません。
行列の脇に乾パンの試食用の箱があったのてすが、空になっていて、そこに店員がちょうど乾パンを置きにきました。私の少し前方でした。
『これはうしろのおばちゃん食いつくだろうなぁ』
なんて思っていた時、乾パンが解き放たれました。途端にうしろからニューッと手が伸びてきました。はっ速い、速すぎるっ。そしてパリパリと食す音が耳元で…。オオカミだ。
ひとりひとりの買い物カゴの中は山盛りで、レジまでの遠い距離に呆然としていた私でした。そしてズボンはまだ穴があいたままです。
■第21回 愉快な札幌大発見:地球防衛軍
これは民家か? というような外観ですが、実はこれ、バーなんだそうです。近所を歩いていた時に発見しました。その直後に、夕方のテレビで取り上げられていました。その名の通りのマニアックなバーでした。まだ実際に入ったことはありません。
札幌では、このような民家を改造したレストラン系の店は結構目につきます。大抵、見た時には「これ何? 店?」とか言ってしまいます。
入りにくいのが特徴です。