■北海道の景色―三国峠
4月にカメラを買い替えてから、土日になると写真を撮りにあちこちへ出かけていました。ちょっと足を伸ばすと400kmくらい車に乗ることになります。そしてこの通信のネタだらけになるのですが、まとめようとすると気が遠くなって気絶状態になり、5か月も更新できませんでした。(言い訳)
で、ちょっとずつ書きます。
ある日の夕方に帯広から大雪山系を北上していました。その時に目に入った風景がスゴすぎて、目が丸くなり、鳥肌が立ち、お尻がゾワゾワしました。
夕陽が全体を赤くして、陸橋の赤味が増して、人工物と大自然が気持ち悪い程の世界を醸し出していました。道路はずっと陸橋で繋がっているため、落ちたら死にます。落ちるバカはいないのですが、落ちたら死にます。
そして私は高所恐怖症で、運転していてずっとゾワゾワしていました。その風景は一瞬で通り過ぎるピンポイントで、しかも進行方向の右後方であったために、右側をやや後ろ方向に振り向かないと見えない状況で、要はキョロキョロしていて気づいたポイントだったのです。三国峠の売店やトイレのある展望所の手前数100m。風景の見え方が劇的に違う。
このあたりは車が止めにくく撮影の仕様がありません。しかしこれは何としても撮りたいと思いました。でも高所恐怖症に撮影できるのか不安でした。
そこで計画を練りました。早朝の車の来ない状況で、橋の真中を歩いて行って、ここだと思ったところでソロリソロリと橋の端へと移動して、一瞬だけ我慢して橋の欄干から身を乗り出して撮る、という計画です。想像するだけで緊張します。
ほかにもこんな案。早朝に誰かにトラックを運転してもらい、その荷台に乗って、そのポイントで止まってもらい、橋から身を乗り出さなくても撮れる環境で撮影をする、というもの。これは様々、無理があり過ぎて却下しました。(笑)
それで5月22日、午前1時半起床。 …って寝る時間じゃないですか、寝れませんでしたよ。寝ずに2時に出発し、2時間後の4時過ぎ頃に現地に到着しました。そのポイントの手前に、無理矢理になら車を止められるスペース(草地)がありました。(側溝がやや深くて車がバイーンバイーンガツンガツンってなる)
案の定、交通量はゼロでしたが、一応その場所に無理矢理止めて、道の真中を、ポイントへ向かって歩き出しました。その時にはもう気づいていたのですが、非常に悔しいことに雰囲気が違っていました。天気は晴れ。しかも朝焼けは大したこともなく、ポイントに着いた時には普通の日の光になっていました。しかも光線は逆方向。
あの身震いするような景色は、夕焼けが陸橋の赤を強調していたからだったのです。それでもスゴい景色であることには変わりないのですが、魅力は半減です。
夜に妖艶な雰囲気のある人が、朝にスッピンで現れたような感じ。(笑)
それが最初の上の写真です。(クリックで拡大します)
いつか夕陽の風景を撮りたいと思います。(車が時々来る中でどうやって撮るか…)
冬もまた違う姿になります。楽しみですが、息の根が止まりそうです。
で、撮影時、橋の端へと歩き、欄干のそばまで行った時に、怖くなってしゃがみこんで、座り込んで、欄干の隙間から撮ろうとしました。でもうまく撮れず、仕方なしに立ち上がりました。
『無理に決まってんじゃん』と思いました。
これでは何のために来たのかわからんぞ、と、少しだけ身を乗り出して数枚撮りました。もう気絶寸前で。下は谷底。カメラを握る握力は倍増しました。
でも、もう少し身を乗り出せば、そのちょっとの差でもっといい感じに収められたと感じました。
右上に見える雪山は「ウペペサンケ山」という山です。見た目がスゴいのにウペペのサンケですよ。でも慣れてくるとだんだんウペペサンケって覚えやすくて違和感がなくなってくるのでした。
※ウペペサンケとはアイヌ語で「雪解け水をどっと押し出してくる」という意味
それからこの早朝の時間帯、人が誰もいない、誰も来ない大雪山系の尾根のような道なので、「シカ祭り」状態になっていました。野生の王国のような。それはまたそのうち。
■スタンプ新作
ホントにたまたまです。ちょうどこの間、スタンプにも手がつかず、最近になってやっと1セット作りました。まだ審査中で、承認まで数日というところです。
売れそうもないところがミソです。