■太陽光パネル発電にトライ
カネがないのです。(いきなり直球ど真ん中ストライクな発言)
太陽光発電をやるには何100万円もかかり、補助金が何10万円か出たところでどうしようもありません。「売電」で元が取れるとしても、初期投資が高すぎるし、実は儲けるとか損得じゃないんです。
野菜はもちろんのこと、電気も自給してみたいのです。電気を自分で作って自分で消費するのは可能だと思うのです。
野菜にしてもその挑戦は有意義で、感じられるものが違いました。何と言うか本質的な部分に触れちゃうのです。それはズバリ食物連鎖でした。生物って何だ、そして農業って何だ、と。
電気はどうなのか、と。
業者が扱う「売電が基本」の太陽光発電システムは、何かズレている。
売電では送電ロスが大きいはずで、効率は悪いはず。売られた電気にはノシが付いて高くなり、しわ寄せが庶民にいく。だからお金がたんまりあっても、売電にはしたくないのです。
私がやりたいのは「オフグリット」というらしいです。
耳障りの良いイヤな横文字ですが。(近所のおばあちゃんには説明できんわ)
それは「電気の自給自足」。電力会社から供給される電気をカットオフ(切断)して、自分の小さな領域(グリット)でまかなう、という意味。と思う。多分。
今のうちにノウハウをゲットして、将来それを発展させる素地を作りたい。
だから100万円とかじゃなくて、もっと安く出来ないのだろうか。
原理は単純なのだし、パネルはあるのだし、電気は溜められるのだから、理屈的にはそんなに高額なはずはないわけで・・・。
「電気が足りないんですよぉ。節電してくださいよぉ」
と、電力会社は困っているのだし、そういう意味でも何とかしたい。
でもやっぱり私にはまるで余裕がないのですよ。
どうにか出来ないかなぁ・・・。
と思っていたら、そういう話が飛び込んできました。6月下旬の頃です。
え、10万円あれば出来るの?
その10万円がないのよ。
え、5万円で出来る?
5万円もないよ。
え、物々交換でいいの?
なんと、太陽光パネルセットと野菜の物々交換が成立したのです。
そうして太陽光発電に不可欠な、ソーラーパネル、バッテリー、コントローラー、ケーブル類、直流対応のLED電球などをタダで手に入れることができたのです。
それは全部で約4万2000円でした。自作にすれば費用は本当に落とせるのですね。ただし自作になりますが。
それらが届く前に、配線のイメージを書いたものがこれです。
この図はいかんです。というか今や微笑ましいです。
バッテリーに入力とか出力とか言うのは違っていて、要は電気は高い方から低い方へ流れる、ってことで、コントローラーってヤツがそれを制御するんですね。ソーラーパネルとバッテリーは直接つながず、それぞれコントローラーというヤツにつなぐのですが、そんなこと分からへんもん。
基本的には、器材をケーブルで繋ぐだけなのですが、やはりやってみないと分からなかったことだらけでした。以下、まさに素人の意見が満載になるのです。
・ケーブルって言ってもいろいろあるし分からない。細いと焼き切れるのかな。
・ケーブルの太さの単位「sq」なんて初めて聞いたし、分かりにくい。
・ケーブルにU型端子などを付ける専用の工具の使い方は勘。
・ケーブルを引き込むために、壁に穴空ける必要があり、遠い目になった。
(普通は換気口などを利用)
・交流は非効率。直流は効率が良く消費電力が超少なくて済むって知らなかった。
(交流電源は無駄に電気を捨てている。無駄なエネルギーは熱になっている)
・家電(扇風機とか)は12Vのものを改造するって、出来るのかなぁ。
・直流のLED電球はこんな北海道のロシア領のような片田舎には売ってないよね。
・電圧、電流のことを知ってるようで全然知らない。
・100ボルトじゃなくて12ボルトっていう意味が根本的に分かってない自分。
・ディープサイクルバッテリーて何よ。
・配線にヒューズを入れるって言われても、どうやるのって感じ。
・ダイオードがどうのこうのということになると、なんだろなー、と途方に暮れた。
・端子台という聞いたこともない道具にドギマギ。
・スイッチはプラス側。接続はプラスから。順番がある理由は分からない。
でも、ひとつひとつやれば、それがノウハウのゲットなのですよ。
勘でやって失敗しても、経験値が上がる。
ソーラーパネルの設置場所には悩みました。屋根の上に付けると、その器材が高額になってしまうので、地面に置くことにしたのです。
これは手入れがしやすいメリットがありました。鳥のフンとか拭きやすい。
デメリットは日陰になる時間帯があること。でも仕方ない。実験だからOK。
問題は電気製品です。直流ですから、ないのです。改造が必要になります。
例えば乾電池8個(乾電池は1.5v×8個=12v)と変換アダプターの両方が使える製品を選び、変換アダプターをちょん切り(えーっ!!っていう感じ)、プラスとマイナスをテスターで確認して結線していくのです。(なんかイヤでしょ?)
交流電源として使うのは割と簡単で、インバーターというのを付ければいいだけです。ただ簡単に使えるので、いろいろ使いたくなって、パネルの枚数が1枚では心もとないのです。
とりあえずパネルは1枚なのだし、実験なのだから、電気効率優先で、直流のシステムを作ります。
直流の場合、プラスとマイナスを間違えると器材が壊れるので大変。だからテスターは必需品。
家庭に一台あれば便利、とか書いてあるけど、みんな使うかのなぁ、って感じで購入。
細かく細かく必要になってくる材料は、無駄になったものも含めて、トータルで1万8000円ほどになり、ヒザが震えてしまうのでした。しかし青ざめながらも、考えてみればこんなもんで発電システムが組めるのであれば、安いものだと思うのでした。カネないけど。
結局、照明と扇風機だけを稼働させることにしました。電気料金的には微々たるものですが、劇的に節電意識は高まりました。照明は120Wが6W程度になり、ドーパミン出まくりになりました。(今は9Wで結構明るい状態)
そして何よりも太陽光パネルからの電気ではない、家庭用の電気に目が向いてしまうのでした。
1枚のパネルによって、意識が変化して、無駄を探すようになると言いますか・・・。あら探しではなく、ちょっと楽しい感じです。
交流電源の照明に関して、市販のLED電球が随分安くなっていて、今まで使っていた5か所の古い蛍光管の照明器具を捨てました。大胆にも捨てました。
1か所1000円程度で10ワット未満の電球に取り替えることができました。(シーリングソケットってのが200円そこそこ、電球は600~1000円程度。330Wが39Wに下げられた。消費電力はザックリ10分の1)
それに、直流電源を発展させる素地ができたのは大きいです。それだけじゃなく、パネルを増やしてインバーターを付ければ家庭用電源になるのですから。
インバーターはただの箱です。その箱にケーブルつなげたら、その箱に付いているコンセントに、製品のプラグを差し込むだけ。そういうもの。
パネル(定格出力100W)が2枚あれば、掃除機とか洗濯機くらいは楽勝で、24時間つけっぱなしの冷蔵庫や、熱を出す湯沸かし器・炊飯器・電子レンジなどはさすがに2枚では厳しい、と言う感じ。というかバッテリーがたくさん必要。 バッテリーは寿命が数年なので、あまり増やしたくない私。
自然エネルギー発電が普及すれば、電力会社は泣いて喜ぶと思います。
足りない電気を心配することもなくなりますから。確実に泣きますよね。
ところで、これは運命というのか、引き寄せと言うのか、不思議なことがありました。この太陽光発電システムと野菜のトレードの話があって、そのパネルが家に届いた日、来客があったのです。
謎の生態のイトコ(♀)なのですが、急にイベントの主催を始めたというので、チラシを持ってきたのです。
講演会を開催するので参加したくないかと。
講師はもう呼んだと。
場所も取ったと。
来てくれないと大変だと。
無理にとは言わんと。
その講演会名がなんと
「だれでもできる! オフグリッド(独立型太陽光発電)」
でした。
「今やってるわ」
「えー」
「ほらこれ」(太陽光パネルがある)
「えー」
「興味あるから行くわ」
「ありがとー」
「ところでなんで太陽光なの?」
「何となくそういう感じかと思って」
「えー」(何となくかよー)
そしてひと通りシステムを組み終わった7月13日、講演会へ行きました。
参加者は7~8人くらいの小規模でしたが、「ロシア領の片田舎」みたいなところですから、よくまあこんなに来たものだと思います。(赤字だよなー。頑張れよー)
この講師の肩書きは「独立型太陽光発電インストラクター」なんだそうです。
日本でただ一人だと言ってました。
闘病の際に啓示があって、自分がやるべき仕事はコレだと思ったんだそうです。
そして、このシステムをやるに当たって、とても強調していたことがありました。
一番大事なことは何か、と。
なんだと思いますか。
元気ですか。
電気ですか。
何だと思いますかコノヤロー。(イノキには似てません)
つい、節電だ何だと、お題目というか、理屈付けをしてしまいがちですが、
「楽しむことですよ、単純に」
「電気が点いたら楽しいじゃないですかっ!!」
いい意味で、底抜けで、吹っ切れてます。
ザックリ言うと、札幌近辺を拠点に、日々、飛び回っているようです。
とても応援したい人です。