■つるつる温泉に鹿出現
我が家から西に40kmのところに「塩別つるつる温泉」という、お肌がつるつるになる温泉があります。
この温泉には年間5~6回ほど足を運びます。入浴料500円とお手頃で、自然たっぷりで、リフレッシュするには最高の場です。しかも土日の早朝に行くことが多いので、朝の空気と客の少なさで、実にまあ快適であります。
広い風呂場と露天風呂、ほぼ貸し切り状態ですから。
しかし、「この温泉は素晴らしい」と語ってしまうと、客が増えて快適さが失われるので、ここは心を鬼にして、あえて悪意を持って書き綴ってみたいと思います。
まず受験生はつるつるすべるので来ない方が良いです。高齢者もつるつるすべってケガをするので来ない方が良いです。(キリッ)
今年の1月に行った時は、外に出るドアが凍って壊れて露天風呂に入れませんでしたし、髪を洗って露天に入るとアタマ凍りますし、休憩所に置いてある「100円の足もみ機」は時々ギュッと圧迫されたところで100円が切れるので、足が引き抜けずに困ったり、とにかく来なくて良いですよ。超僻地ですしね。
夏はオニヤンマだかギンヤンマだかでかいトンボが飛んでいたり、クワガタが露天の岩に止まっていたり。(おっと、これでは人が来てしまうぞ)
さて、3月11日(日)の早朝にその塩別つるつる温泉へ行って来ました。露天風呂は山の急斜面の麓にあります。その露天風呂の脇で、メスの小さめの鹿がちょこんと座っていました。ほんの3~4mのところにです。
さすがに温泉内で写真が撮れなかったので説明イラストです。
まあシカし、鹿がいたのは初めてでした。それも目の前で陽の光を浴びてまったりしています。時々後ろ足で耳をかいたり、顔のそばにある木の皮を食べてモグモグしていたり、猫のように丸まって眠ったり。
(いかんいかん、こんな風に書いたら人が来てしまう)
そこへ二人の高齢者が入ってきました。
「鹿ってのは脂肪が少ないのによく生きてるもんだな」
「こんな寒いところでね」
「クマとかトドとか、みんなすごい脂肪でさ、鹿だけだよ」
「鹿肉ってのは、脂肪が少な過ぎるから豚肉とか牛肉を混ぜてさ」
「ほー」
「ソーセージとか作るんだよ」
「臭みも消すんだな」
「そうそう」
「だから100%鹿肉のソーセージってないはずだよ」
「ほー」
「友達の鉄砲撃ちからよく肉をもらうんだけどさ」
「鹿肉をソーセージにしようと思って、食肉工場に持って行ったら断られたよ」
(私の心の声「えっ、工場に肉持っていったら作ってくれるのかよっ」)
「なんでまた」
「野生だから(寄生虫とか)何がいるかわからんってんでさ」
「絶対やってくれないんだ、自分たちがアレになるから」
「しかし、鹿を撃ち殺す時って、生きてるうちに血抜きのために動脈切ってさ」
「ほー」
「血だらけになってから頭撃つんだ」
「いやいやいや」
「アレ見たら肉食えなくなるわ」
「食えなくなるね」
(心の声「食えなくなるわ」)
と、会話文、ちょっと長くなりましたが、可愛い鹿の前でする話かっ!!
つるつる温泉に行くとこういう話が耳に入って肉が食えなくなりますよ。だから来なくていいですよ。
さらにこんなグロい話も。
「トドは逆に一撃で仕留めないとダメなんだ」
「なんでさ」
「アミで暴れて潜って行っちゃって、引き上げられなくなるのさ」
「でかいから力あるんだな」
「頭を一発でやらんとな」
シカちゃんはのどかな顔をしていました。しかし、野生の鹿が、人間の近くに来て1時間ほどもまったりと寝てるって、どうなの、と思いました。それで、この風景を眺めながらふと思ったのです。
鹿から見ると、変なつるつるした弱そうなヤツがいるだけであって、多分怖くないのでしょう。
外で、特に森林で、人が裸でいるって変ですよね。妙な違和感があります。
しかしまあ、この鹿にしても、何の敵意も無さげで、一緒に平和に暮らせたら良いのに、“とりあえず鹿肉の話”になる人間って、怖いな、と思ったのでした。
塩別つるつる温泉にお越しの際はお気をつけ下さい。
■北見発見伝:セブンイレブン
札幌では、7と11の語呂合わせで「南7条西11丁目」にセブンイレブンがありましたが、北見ではこんな看板があります。
お、セブンイレブンがあるのか、え、711mって遠過ぎるだろ。
なんだこの半端な数字は……あっ!!